留学前の英語の勉強|出発までの期間別プランと優先すべき4つの力
留学前の英語の勉強は、留学の種類と出発までの期間で優先する内容が変わります。語学留学・交換留学・正規留学・ワーホリ別の準備、6ヶ月前・3ヶ月前・1ヶ月前のプラン、生活フレーズの例、アプリとIELTS・TOEFLの準備を解説します。
留学前の英語の勉強は、留学の種類で英語を使う場面を確かめ、出発の6ヶ月前は単語・文法・リスニング、3ヶ月前は話す・書く練習、1ヶ月前は生活場面の予行演習に重点を置くのが効率的です。試験が必要な場合は、必要なスコアを志望先の公式ページで確認し、出願締切から逆算して準備します。
この記事でわかること
留学前の英語の勉強は、語学留学・交換留学・正規留学・ワーキングホリデーのどれかで優先する力が変わります。
出発の6ヶ月前は単語・文法・リスニング、3ヶ月前は話す・書く練習、1ヶ月前は生活場面の予行演習に重点を置きます。
IELTS・TOEFLなどの必要なスコアは学校・プログラムごとに違うため、志望先の公式ページで確認して出願締切から逆算します。
要点データ
| 準備開始の目安(大学など) | 約1年半前からJASSO「留学までのタイムスケジュール」より |
|---|---|
| 準備開始の目安(語学留学) | 約半年前からJASSO「留学までのタイムスケジュール」より |
| IELTSの結果の有効期間 | 試験日から2年間IELTS公式サイト(日本英語検定協会)より・2026年10月時点 |
留学前の英語の勉強は、語学留学・交換留学・大学や大学院への正規留学・ワーキングホリデーのどれを選ぶかで、優先すべき内容が変わります。授業についていくための読み書きが必要な留学もあれば、現地での生活と仕事で使う会話が中心になる留学もあります。
自分の留学で英語を使う場面と、出発までの期間を先に把握すると、限られた時間で何から手をつけるかを迷わず決められます。準備が早いほど、出願に必要な試験のスコアにも余裕を持って対応できます。
本記事では、留学の種類別に必要な英語の準備、出発の6ヶ月前・3ヶ月前・1ヶ月前の期間別プラン、優先すべき4つの力をまとめています。さらに、生活場面の英語フレーズの自作例、アプリの使い方、IELTS・TOEFLが必要な場合の準備も紹介します。
留学前の英語の勉強で優先すべきこと【留学の種類別の早見表】
留学前の英語の勉強は、現地で英語を使う場面から逆算して内容を決めることが重要です。授業で講義を聞いてレポートを書く留学と、語学学校で英語そのものを学ぶ留学では、出発前に求められる英語力の種類が違うためです。
ここでは、語学留学・交換留学・大学や大学院の正規留学・ワーキングホリデーの4つについて、英語を使う場面と留学前に優先する力を表で整理します。そのうえで、種類ごとの準備のポイントを解説します。
留学の種類ごとに、英語を使う場面・優先する力・試験スコアの扱いを比較します。
留学の種類 | 英語を使う主な場面 | 留学前に優先する力 | 英語の試験スコアの扱い |
|---|---|---|---|
語学留学 | 語学学校の授業・ホームステイや寮での生活 | リスニング・基礎の単語と文法・生活英語 | 入学時のクラス分けテストで判定されることが多い。条件は学校ごとに確認 |
交換留学 | 派遣先大学の授業・課題・寮生活 | 講義のリスニング・学術的な読み書き・ディスカッション | 在籍大学の学内選考と派遣先大学の条件の両方を確認 |
大学・大学院の正規留学 | 学位取得のための授業・論文・研究 | 学術的な読み書き・講義のリスニング・発表 | 出願時に提出を求められるのが一般的。必要な試験と点数は大学・学部・プログラムごとに確認 |
ワーキングホリデー | 部屋探し・仕事探しと面接・職場での会話 | 話す瞬発力・生活英語・電話や面接の受け答え | ビザの条件は国ごとに異なるため、各国の大使館などの公式情報で確認 |
※英語の試験スコアの要否・必要な点数は、留学先の学校・プログラム・国によって異なります。出願や申し込みの前に、各機関の公式ページで最新の条件を確認してください。
上の表のとおり、学位や単位が関わる留学ほど学術的な英語の比重が大きくなり、語学留学とワーキングホリデーでは生活と会話の英語が中心になります。自分の留学がどの列に当たるかを確かめてから、次の各留学の準備を読み進めてください。
語学留学:基礎の単語・文法と耳を作っておく
語学留学の前は、中学〜高校レベルの単語・文法と、英語を聞き取る力を固めておくことが重要です。語学学校の授業は英語で進むため、基礎が抜けていると説明そのものを理解できず、授業時間を英語の習得に使えないからです。
たとえば、先生の指示や宿題の説明を聞き取れれば、初級クラスからでも授業の内容に集中できます。反対に、基礎の文法を現地で一から学ぶと、日本でも学べる内容に留学の時間と費用を使うことになります。
ただし、語学留学は入学時のクラス分けで今のレベルに合ったクラスに入るのが一般的なため、出発前に完璧を目指す必要はありません。基礎を固めたうえで、分からないときに聞き返す表現を覚えておけば、授業に参加しやすくなります。
交換留学:講義と課題に向けて読み書きを準備する
交換留学の前は、講義を聞き取る力と、課題の文献を読んでレポートを書く力の準備が欠かせません。交換留学では派遣先大学の正規の授業を現地の学生と一緒に履修することが多く、単位の取得には課題の提出と試験が伴うためです。
たとえば、1回の授業の前に英語の文献を読み、授業中に意見を述べ、学期末にエッセイを提出する流れが考えられます。リスニングに加えて、決まった時間で英文を読み、自分の意見を英語で書く練習を出発前から進めておくと、学期の最初から授業に参加しやすくなります。
ただし、交換留学には在籍大学の学内選考があり、選考で語学試験のスコアを求められる場合があります。学内の募集要項で、試験の種類と提出の期限を早めに確認しましょう。
大学・大学院の正規留学:出願書類と授業の両方に備える
大学・大学院の正規留学では、出願に必要な試験のスコアと、入学後の授業についていく学術英語の両方を準備します。出願の段階で英語力の証明を求められるのが一般的で、入学後は学位の取得に向けて論文や発表を英語でこなす必要があるためです。
たとえば、出願書類にはエッセイ(志望理由書)や推薦状が含まれることがあり、試験対策と並行して書類の英文も用意することになります。試験のスコアが出願の条件を満たしても、授業で求められる読み書きの量は試験とは別物のため、論文を読む練習も早めに始めておくと安心です。
ただし、必要な試験の種類と点数は大学・学部・プログラムによって異なり、同じ大学でも学部と大学院で条件が違う場合があります。一般的な目安ではなく、志望先の公式ページに書かれた条件を基準にしてください。
ワーキングホリデー:仕事探しと生活の会話を優先する
ワーキングホリデーの前は、仕事探しと日常生活で使う会話を優先して練習することが重要です。ワーキングホリデーは学校に通う期間が決まっていない場合も多く、部屋探しや仕事の面接など、英語で自分から交渉する場面が早い段階で訪れるからです。
たとえば、履歴書を英語で用意し、面接で職歴と働ける曜日を説明する練習をしておくと、現地での仕事探しを早く始められます。電話での問い合わせや職場での指示の聞き取りなど、相手の話すスピードに合わせて答える場面も増えます。
ただし、ワーキングホリデーのビザの条件は国によって異なり、内容が変わることもあります。英語力に関する条件の有無を含め、各国の大使館などの公式情報で確認してください。
留学前に伸ばしたい英語力4つ
留学前に伸ばしたい英語力は、リスニング・話す瞬発力・学術的な読み書き・生活英語の4つです。どの力を優先するかは留学の種類で変わりますが、4つとも現地で英語を使う場面に直結しています。
ここでは、4つの力が必要になる場面と、留学前にできる練習を表で整理したうえで、1つずつ解説します。前の章の早見表で自分の留学に合う力を確かめてから読むと、練習の優先順位を決めやすくなります。
留学前に伸ばしたい4つの力を、必要になる場面と練習の例で比較します。
力 | 必要になる場面 | 留学前の練習の例 |
|---|---|---|
リスニング | 授業・先生の指示・店員や同居人との会話 | スクリプトのある音声で聞き取れない箇所を確認し、シャドーイングで音をまねる |
話す瞬発力 | 授業中の発言・自己紹介・道や手続きの質問 | 日本語の短い文をすぐ英語にする練習と、オンライン英会話で実際に話す練習 |
学術的な読み書き | 課題の文献・レポート・エッセイ・試験 | 英語の記事や論文の要約を書き、構成(主張・理由・具体例)をそろえる |
生活英語 | 空港・住居・銀行・携帯電話・病院・買い物 | 到着後に起きる場面を書き出し、場面ごとのフレーズを声に出して覚える |
4つの力は、留学の種類によって比重が変わります。大学・大学院の正規留学なら学術的な読み書き、ワーキングホリデーなら話す瞬発力と生活英語に多くの時間を割きましょう。
リスニング:授業と日常の音に慣れる
リスニングは、どの留学でも最初に必要になる力です。授業も生活も、相手の話を聞き取れなければ返事も質問もできないためです。
たとえば、教材の音声はゆっくり聞き取れても、現地の授業や店員の英語は速さや音のつながりで聞き取れないことがあります。スクリプトのある音声で、聞き取れなかった箇所を文字で確かめ、同じ音声をまねて発音する練習を続けると、音の変化に慣れていきます。
ただし、聞き流すだけでは聞き取れない原因が分からないまま時間が過ぎます。聞き取れない原因の見つけ方と原因別の練習は、以下の記事で詳しく解説しています。
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英語のリスニング勉強法|聞き取れない原因別の練習と上達の手順
話す瞬発力:言いたいことを短く口に出す
話す瞬発力は、知っている単語と文法で、言いたいことをすぐに短い英文にする力です。現地の会話は相手の返事を待ってくれる時間が短く、文法を頭の中で組み立てているうちに話題が次に移ってしまうからです。
たとえば、「この授業の課題の締切はいつですか」を完璧な文で言えなくても、「When is the deadline for this assignment?」と短く聞ければ用は足ります。日本語の短い文をすぐ英語にする練習と、オンライン英会話などで実際に人と話す練習を組み合わせると、口から英語が出るまでの時間が短くなります。
ただし、話す練習だけを増やしても、使える単語と文法が少ないと同じ表現の繰り返しになります。話せるようになるまでの段階と練習法は、以下の記事にまとめています。
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英語が話せるようになるには?大人が独学で話せるまでの5ステップと練習法
学術的な読み書き:課題文献とエッセイに備える
学術的な読み書きは、交換留学と大学・大学院の正規留学で特に重要な力です。授業の多くが文献を読んでくる前提で進み、成績はレポートやエッセイ、試験の答案で評価されるためです。
たとえば、英語の記事を1本読み、主張・理由・具体例の3点を英語で数文に要約する練習は、文献を読む力と書く力を同時に鍛えられます。エッセイでは、最初に主張を書き、理由と具体例で支え、最後に主張を言い直す構成が基本になります。
ただし、自分で書いた英文は、文法の誤りや不自然な表現に自分では気づきにくい点に注意が必要です。添削を受ける機会を作るか、AIの添削機能で修正案を確かめ、直した理由まで理解するようにしましょう。
生活英語:手続きと買い物で困らない
生活英語は、留学先に到着した直後から必要になる力です。入国審査・住居の入居・銀行口座の開設・携帯電話の契約など、到着してすぐの手続きの多くは英語で進むからです。
たとえば、住居の設備が壊れたときに管理者へ連絡する、薬局で症状を伝えて薬を選ぶといった場面は、教科書の会話にはあまり出てきません。到着後に起きる場面を自分で書き出し、場面ごとに使う表現を準備しておくと、現地で慌てずに済みます。
ただし、手続きの流れや必要な書類は国や地域、機関によって異なります。英語の表現を覚えるのと並行して、留学先の学校や公的機関の案内で手続きの内容を確認しておきましょう。
出発までの期間別の英語の勉強プラン【6ヶ月前・3ヶ月前・1ヶ月前】
留学前の英語の勉強は、出発までの期間によって重点を変えると効率よく進められます。土台となる単語・文法と聞き取りは時間がかかり、話す練習や生活場面の予行演習は出発が近いほど実際の場面に合わせやすいためです。
ここでは、出発の6ヶ月前・3ヶ月前・1ヶ月前の3つの時期に分けて、重点と1週間のメニュー例を紹介します。メニュー例は英語の窓口編集部が作った一例のため、自分の留学の種類と今の英語力に合わせて調整してください。
出発までの3つの時期ごとに、重点と1週間のメニュー例をまとめます。
時期 | 重点 | 1週間のメニュー例(編集部の自作例) |
|---|---|---|
6ヶ月前〜 | 単語・文法・リスニングの土台 | 単語アプリを毎日/文法の問題集を週3回/スクリプトつき音声のシャドーイングを週3回 |
3ヶ月前〜 | 話す・書く練習を増やす | オンライン英会話を週2〜3回/英文の要約やエッセイを週1〜2本/試験が必要なら模試を月1回 |
1ヶ月前〜 | 生活場面の予行演習 | 場面別フレーズの音読を毎日/到着後の手続きを想定したロールプレイを週2回/授業で使う表現の確認 |
※メニュー例は英語の窓口編集部が作成した一例で、必要な学習量を保証するものではありません。
なお、日本学生支援機構(JASSO)は、準備に必要な期間は国・地域や教育機関、留学形態によって異なるとしたうえで、大学など高等教育機関への留学は約1年半前、語学留学でも約半年前から準備を始めることを勧めています(2026年4月10日更新の「留学までのタイムスケジュール」より)。英語の勉強も、この準備の流れに合わせて早めに始めましょう。
【6ヶ月前〜】単語・文法・リスニングの土台を作る
出発の6ヶ月前からは、単語・文法・リスニングの土台作りに時間を使います。話す・書く練習も、使える単語と文法が増えてから取り組むほうが、同じ時間で言える内容が広がるためです。
たとえば、単語は毎日の短い時間をアプリで繰り返し、文法は中学〜高校レベルの問題集を1冊決めて最後まで解く形が続けやすい組み合わせです。リスニングは、スクリプトつきの音声で聞き取れない箇所を確かめ、シャドーイングで音をまねる練習を週に数回入れます。
ただし、出願に試験のスコアが必要な場合は、6ヶ月前では締切に間に合わないことがあります。試験が必要な方は、後半の「留学先で英語の試験が必要な場合の準備」を先に確認してください。
【3ヶ月前〜】話す・書く練習を増やす
出発の3ヶ月前からは、話す・書く練習の割合を増やします。土台の単語と文法を、実際に英語を使う形に変える時期だからです。
たとえば、オンライン英会話で自己紹介・留学の目的・専攻の説明を英語で話す練習をしておくと、現地の最初の授業や交流の場で使えます。交換留学や正規留学の方は、英語の記事の要約や短いエッセイを週に1〜2本書き、書く量そのものを増やしておくと課題に慣れやすくなります。
ただし、話す練習の相手がいないと、練習が独り言で終わり、相手の反応に合わせて答える力が育ちません。オンライン英会話やAI英会話アプリなど、相手から質問される形の練習を週に何回か入れましょう。
【1ヶ月前〜】生活場面の予行演習をする
出発の1ヶ月前からは、到着後に起きる生活場面の予行演習に重点を移します。直前の時期は新しい文法を覚えるより、すぐに使う表現を口に慣らすほうが現地での行動に直結するためです。
たとえば、入国審査・住居への入居・銀行や携帯電話の手続き・授業の初日など、到着から1週間の出来事を順番に書き出し、場面ごとのフレーズを音読します。次の章で紹介する自作フレーズの表を土台に、自分の留学先で起きる場面を書き足してください。
ただし、直前に詰め込みすぎると、出発準備の手続きと重なって負担が大きくなります。英語の勉強は毎日短い時間に区切り、ビザや保険などの手続きを優先しましょう。
出発まで1ヶ月を切った場合の優先順位
出発まで1ヶ月を切った場合は、生活英語・聞き返す表現・自己紹介の3つに絞って準備します。短い期間で英語力全体を底上げするのは難しく、到着直後に困る場面を減らすことを優先したほうが現地での学習を早く始められるからです。
優先する準備は、以下のとおりです。
- 到着から1週間の生活場面のフレーズ
- 聞き取れないときに聞き返す・言い直してもらう表現
- 自己紹介と留学の目的を30秒で話す練習
- 授業で使う「質問がある」「もう一度説明してほしい」の表現
上記の4つを準備しておくと、英語力が十分でなくても現地で周りの助けを借りながら行動できます。不足している力は、現地の授業と生活の中で伸ばす計画に切り替えましょう。
留学前に覚えたい生活場面の英語フレーズ【自作例】
留学前に覚えるフレーズは、到着から1週間以内に起きる場面のものを優先することが重要です。到着直後は手続きが集中し、英語に慣れる前に自分から説明や質問をする場面が続くためです。
ここでは、空港・住居・銀行や携帯電話・授業・買い物・体調不良の6つの場面で使えるフレーズを、英語の窓口編集部が自作した例で紹介します。場面ごとに1〜2文を覚え、自分の状況に合わせて単語を入れ替えて使ってください。
生活場面ごとの英語フレーズを、日本語の意味と合わせて紹介します。
場面 | 英語フレーズ(自作例) | 意味 |
|---|---|---|
空港・入国審査 | I'm here to study English for six months. | 6ヶ月間、英語を勉強するために来ました。 |
空港・入国審査 | I'll be staying with a host family. | ホストファミリーの家に滞在します。 |
住居 | The shower in my room isn't working. Could someone take a look? | 部屋のシャワーが使えません。見ていただけますか。 |
銀行・携帯電話 | I'd like to open a bank account. What documents do I need? | 銀行口座を開きたいです。どの書類が必要ですか。 |
銀行・携帯電話 | I'm looking for a prepaid SIM plan with enough data. | データ量が十分なプリペイドのSIMプランを探しています。 |
授業 | Sorry, could you say that again more slowly? | すみません、もう一度ゆっくり言っていただけますか。 |
授業 | Could you tell me what the assignment is for next week? | 来週の課題が何か教えていただけますか。 |
買い物 | Do you have this in a smaller size? | これの小さいサイズはありますか。 |
体調不良 | I've had a headache and a fever since yesterday. | 昨日から頭痛と熱があります。 |
※英語の窓口編集部が作成した例文です。
表のフレーズは、主語と動詞をそのままにして、期間・場所・物の単語を入れ替えるだけで多くの場面に応用できます。以下では、フレーズを覚えるときのポイントを場面ごとに解説します。
到着直後の手続きで使うフレーズを覚える
到着直後の手続きでは、自分の目的と滞在先を短く説明するフレーズを最初に覚えます。入国審査や住居の入居では、留学の目的・期間・滞在先を聞かれることが多く、短く正確に答えられると手続きが滞りにくいためです。
たとえば、「I'm here to study English for six months.」の「study English」を「study at the University of 〜」、「six months」を「one year」に変えれば、自分の留学に合わせた答えになります。自分用の答えを紙に書いて声に出しておくと、緊張した場面でも言葉が出やすくなります。
ただし、入国審査で聞かれる内容や必要な書類は国によって異なります。英語の準備とは別に、入学許可書などの書類を手元に出せるようにしておきましょう。
授業で聞き返す表現を用意する
授業では、聞き取れなかったときに聞き返す表現を準備しておくことが重要です。聞き取れないまま黙っていると、課題の内容や締切を取り違え、成績に影響するおそれがあるからです。
たとえば、「Sorry, could you say that again more slowly?」や「Could you tell me what the assignment is for next week?」は、授業の後に先生へ確認するときにも使えます。聞き返す表現を2〜3個持っておくと、分からないことをその場で解決できます。
ただし、毎回聞き返すだけでは理解が追いつかないため、聞き取りの練習自体は出発前から続ける必要があります。聞き返す表現は、聞き取りの力を補う手段として使いましょう。
困ったときに状況を伝える表現を準備する
体調不良や設備の故障など困ったときは、何が・いつから・どうなっているかを伝える表現を準備しておきます。困った状況では落ち着いて英文を組み立てにくく、伝える要素を事前に決めておくと短い英語でも状況が伝わるためです。
たとえば、「I've had a headache and a fever since yesterday.」は「何が(頭痛と熱)」「いつから(昨日から)」を1文で伝えています。症状や壊れた物の単語を入れ替えれば、病院・薬局・住居の管理者への連絡にも使えます。
ただし、急病やけがのときは英語の正確さより、助けを求めることを優先してください。緊急時の連絡先や保険の使い方は、出発前に日本語で確認しておきましょう。
留学前の英語の勉強にアプリを使う方法
アプリは、留学前の英語の勉強のうち、単語・リスニング・発音を毎日少しずつ続ける用途に向いています。スマートフォンで短い時間に繰り返せるため、出発準備で忙しい時期でも学習を止めずに済むからです。
ここでは、留学前に使いやすいアプリの種類と使い方を、目的別に表で整理します。アプリの料金や無料範囲は変わることがあるため、使う前にそれぞれの公式サイトやストアのページで確認してください。
留学前の英語の勉強に使えるアプリを、目的・種類・使い方で整理します。
目的 | アプリの種類と例 | 留学前の使い方 |
|---|---|---|
単語 | 単語アプリ(例:Quizletは単語カードの作成・学習が無料) | 授業や専攻で使う単語を自分で登録し、毎日復習する |
リスニング | 語学講座のアプリ(例:NHKゴガクはすべての機能が無料。通信費は別) | 決まった時間に講座を聞き、聞き取れない箇所をスクリプトで確かめる |
総合 | 総合型の語学アプリ(例:Duolingoは英語コースが無料) | 毎日の学習習慣を作り、話す・書く練習の前の基礎固めに使う |
発音 | 発音採点のアプリ(例:ELSA Speakは無料プランで発音コーチなどのレッスンが1日2回) | 通じにくい音を見つけ、苦手な音を重点的に練習する |
※2026年10月12日時点・各アプリの公式サイト、App Storeより。NHKゴガクのラジオ番組のストリーミングは日本国内限定です。
上記のとおり、目的別に1〜2個のアプリを組み合わせると、留学前の基礎固めを費用をかけずに始められます。NHKゴガクのストリーミングは日本国内限定のため、出発前の期間に集中して使うのがおすすめです。
アプリは目的を1つに絞って組み合わせる
アプリは、1つのアプリですべてを済ませようとせず、目的を絞って組み合わせることが重要です。単語・リスニング・発音など、アプリごとに鍛えられる技能が違うためです。
たとえば、単語はQuizletで専攻の用語を自作の単語カードにし、リスニングはNHKゴガクの講座を毎日聞く、という組み合わせなら目的が重なりません。料金と無料範囲を含めた英語学習アプリの比較は、以下の記事にまとめています。
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英語勉強アプリおすすめ11選|単語・発音など目的別に比較【2026年最新】
アプリだけで足りない練習を補う
アプリだけでは、相手とのやり取りの中で話す練習と、長い英文を書く練習が不足しやすい点に注意が必要です。多くのアプリは短い問題を繰り返す形式で、自分で英文を組み立てて相手に伝える量が限られるからです。
アプリで補いにくい練習は、以下のとおりです。
- 相手の質問に合わせて答える会話の練習
- 授業での発言やディスカッションの練習
- レポート・エッセイなど長い英文を書く練習
上記の練習は、オンライン英会話や添削サービス、AI英会話アプリなど、相手から反応が返ってくる手段で補いましょう。
留学先で英語の試験が必要な場合の準備
留学先から英語の試験のスコアを求められる場合は、試験の種類・必要な点数・提出の期限を最初に確認することが重要です。必要な点数は学校・学部・プログラムごとに異なり、出願の締切が早い学校もあるためです。
ここでは、留学の出願でよく使われるIELTSとTOEFL iBTについて、試験の特徴と確認すべきことを表で整理します。そのうえで、出願の締切から逆算した準備の考え方を解説します。
IELTSとTOEFL iBTを、測る内容と出願前に確認することで比較します。
試験 | 測る内容 | 出願前に確認すること |
|---|---|---|
IELTS | リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能。Academic と General Training がある | 受け入れ先が求める試験の種類(Academic/General Training、通常のIELTS/IELTS for UKVI)と必要なスコア |
TOEFL iBT | 大学の授業で使われるリーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4技能 | 受け入れ先がTOEFL iBTを認めているか、必要なスコアと提出方法 |
※2026年10月12日時点・IELTS公式サイト(日本英語検定協会)、ETS公式サイトより。
どちらの試験を受けるかは、志望先が認めている試験と必要なスコアで決めます。複数の学校に出願する場合は、全校で使える試験を選ぶと受験の回数を減らせます。
必要なスコアは学校・プログラムごとに公式ページで確認する
必要な試験のスコアは、志望する学校・プログラムの公式ページで確認します。同じ試験でも学校ごとに求める点数が違い、技能ごとの最低点を設けている場合もあるためです。
たとえば、同じ大学でも学部と大学院、プログラムによって条件が異なることがあります。留学情報サイトに載っている一般的な目安ではなく、出願する年度の募集要項に書かれた条件を基準にしてください。
ただし、条件は年度によって変わることがあります。出願の直前にも、公式ページで最新の条件を確かめましょう。
IELTSを受ける場合は試験の種類を間違えない
IELTSを受ける場合は、受け入れ先が求める試験の種類を確認してから申し込むことが重要です。IELTSには Academic と General Training があり、さらに通常のIELTSと英国ビザ申請用のIELTS for UKVIがあるためです。
IELTS公式サイト(日本英語検定協会)は、申し込みの際に受け入れ先の機関に必要な試験の種類を確認するよう案内しています。試験結果の有効期間は試験日から2年間で、日本英語検定協会のIELTSペーパー版は2026年8月で終了し、現在はコンピューター版で受験します(2026年10月時点)。
ただし、誤った種類で申し込んだ場合の変更や返金は受け付けられないと案内されています。勉強法と対策の進め方は、以下の記事で解説しています。
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IELTSの勉強法|4技能別の対策と目標バンド別の進め方
TOEFL iBTを受ける場合は授業形式の問題に慣れる
TOEFL iBTは、大学の授業で使う英語の4技能を測る試験です。ETSは、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングを授業での使われ方に沿って測る試験と説明しています。
たとえば、講義を聞いて内容をまとめる、読んだ内容と聞いた内容を合わせて答えるなど、授業に近い形の問題に慣れておく必要があります。受験はテストセンターと自宅の両方から選べます(2026年10月時点・ETS公式サイトより)。
ただし、出題形式は変更されることがあるため、対策を始める前にETSの公式サイトで最新の試験内容を確認してください。勉強法と対策の進め方は、以下の記事で解説しています。
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TOEFLの勉強法|改訂版iBTの技能別対策と目標スコア別の進め方
出願の締切から逆算して試験日を決める
試験が必要な場合は、出願の締切から逆算して試験日を決めます。試験の結果が出るまでに日数がかかり、目標のスコアに届かなければ再受験が必要になるためです。
JASSOは、入学の1年くらい前に出願を締め切る大学や奨学金もあるとして、早めの準備を勧めています。逆算の手順は、以下のとおりです。
- 志望先の出願締切と、必要な試験・スコアを確認する
- 結果が出るまでの日数と、再受験の余裕を見込んで最終の受験日を決める
- 今の点数との差から、対策に使える期間と1週間の学習時間を決める
上記の手順で計画を立てると、出願の直前に慌てて受験する状況を避けられます。
留学前の英語学習でよくある失敗と対処法
留学前の英語学習でつまずきやすいのは、勉強の量より、内容と時期の選び方です。留学の種類に合わない練習を続けたり、試験の準備が出願に間に合わなかったりすると、出発前の時間を生かしきれないためです。
ここでは、留学前の英語学習で起きやすい失敗と原因、対処法を表で整理します。最後に、独学で進めるかサポートを使うかの判断の目安も紹介します。
留学前の英語学習で起きやすい失敗を、原因と対処法で整理します。
つまずき | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
単語と文法ばかりで、現地で話せない | 話す練習を後回しにした | 3ヶ月前からオンライン英会話など相手のいる練習を入れる |
試験の準備が出願締切に間に合わない | 締切と必要なスコアの確認が遅れた | 最初に募集要項を確認し、締切から受験日を逆算する |
授業の課題についていけない | 会話の練習だけで、読み書きを準備しなかった | 英語の記事の要約やエッセイを書く練習を週に1〜2本続ける |
到着直後の手続きで困る | 生活場面の英語を準備しなかった | 1ヶ月前から場面別のフレーズを音読し、ロールプレイで確かめる |
表の失敗の多くは、留学の種類と出発までの期間を最初に確認すれば防げます。本記事の早見表と期間別プランを使って、自分の計画を見直しましょう。
独学で足りる方とサポートを検討したい方を分ける
留学前の英語の勉強は、独学で足りる方には独学で十分です。語学留学やワーキングホリデーで、基礎の単語と文法があり、話す練習の相手もオンライン英会話などで確保できる方は、本記事の期間別プランとアプリの組み合わせで準備を進められます。
一方で、出願にIELTSやTOEFLのスコアが必要で、締切までの期間と今の点数の差が大きい方は、学習計画の管理やライティング・スピーキングの添削を受けられるサービスも選択肢になります。IELTS・TOEFL対策に対応したコーチングの比較は、以下の記事にまとめています。
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IELTS・TOEFLスクール・コーチングおすすめ13選
サポートを検討する際に確認したい点は、以下のとおりです。
- 志望先が求める試験(IELTS/TOEFL iBT)に対応したコースがあるか
- ライティング・スピーキングの添削を受けられるか
- 出願締切までの期間で受講できるか
留学準備に対応した英語スクールは、留学準備向けの英語スクール一覧から料金や口コミで比較できます。
まとめ
- 留学前の英語の勉強は、語学留学・交換留学・正規留学・ワーキングホリデーのどれかで優先する力が変わる
- 伸ばしたい力はリスニング・話す瞬発力・学術的な読み書き・生活英語の4つ
- 6ヶ月前は土台、3ヶ月前は話す・書く練習、1ヶ月前は生活場面の予行演習に重点を置く
- 試験が必要な場合は、必要なスコアを志望先の公式ページで確認し、出願締切から受験日を逆算する
まずは自分の留学の種類と出発日を確かめ、本記事の期間別プランから今の時期にやることを1つ決めて始めましょう。
よくある質問
留学前の英語の勉強は何から始めればいいですか?
まず留学の種類で英語を使う場面を確かめ、基礎の単語・文法とリスニングから始めるのが効率的です。出願に試験のスコアが必要な場合は、志望先の募集要項で必要な試験と締切を最初に確認してください。
留学前の英語の勉強はアプリだけで足りますか?
単語・リスニング・発音の練習はアプリで続けられますが、相手と話す練習と長い英文を書く練習は不足しやすくなります。オンライン英会話や添削サービスなど、相手から反応が返ってくる練習と組み合わせましょう。
留学の準備はいつから始めればいいですか?
日本学生支援機構(JASSO)は、大学など高等教育機関への留学は約1年半前、語学留学でも約半年前から準備を始めることを勧めています。入学の1年くらい前に出願を締め切る大学や奨学金もあるため、早めに確認しましょう。
語学留学でも留学前に英語を勉強したほうがいいですか?
語学留学でも、基礎の単語・文法とリスニングは出発前に固めておくのがおすすめです。授業は英語で進むため、基礎があるほど現地の授業時間を英語の上達に使えます。
出典・参考
- 留学までのタイムスケジュール(海外留学情報サイト)(独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)) 2026年10月11日参照
- IELTS 受験案内(公益財団法人日本英語検定協会) 2026年10月11日参照
- TOEFL iBT Test Resources(ETS) 2026年10月11日参照
- NHKゴガクアプリ(NHK) 2026年10月11日参照
- Duolingo(App Store)(Duolingo, Inc.) 2026年10月11日参照
- Quizlet(App Store)(Quizlet Inc.) 2026年10月11日参照
- ELSA Speak Help Center: What is Included in the ELSA Free Plan?(ELSA Corp.) 2026年10月11日参照
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英語の窓口編集部
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英語コーチング・TOEICコーチングの口コミ・比較サイト「英語の窓口」の編集部。スクールの料金・口コミ比較と、TOEIC・英会話の勉強法やAI英会話の活用法を発信しています。