シャドーイングのやり方と効果|初心者向けの手順・教材・続けるコツ
シャドーイングのやり方を、初心者向けの6STEPの手順、リピーティング・オーバーラッピング・ディクテーションとの違い、レベル別の教材の選び方、15分・30分の1日のメニュー例、録音して確認する方法、よくある失敗と対処法まで、自作の例文で解説します。
シャドーイングは、スクリプトを見ずに英語の音声を少し遅れて追いかけて声に出す練習法で、英語の音を聞き分ける力と聞いた順に意味を取る速さを鍛えます。やり方は、レベルに合う1〜3分の音声を選び、意味と音の変化を確認してからオーバーラッピング、シャドーイング、録音での確認の順に進めるのが基本です。
この記事でわかること
シャドーイングは、スクリプトを見ずに音声を1〜2語遅れて追いかける練習で、スクリプトを見ながら同時に読むオーバーラッピングとは区別されます。
やり方は「教材選び・聞く・意味と音の確認・オーバーラッピング・シャドーイング・録音」の6STEPで、1つの音声を使い切ります。
教材は音声とスクリプトがそろい、読めば意味が分かる1〜3分のものを選び、録音を原音と聞き比べて言えない箇所を直します。
シャドーイングは、英語の音声を聞きながら少し遅れて同じ英文を声に出す練習法です。リスニング対策・発音練習・TOEIC対策など幅広い目的で使われ、音声とスクリプトがあれば1人で始められます。
シャドーイングの正しい手順と、自分のレベルに合う教材の選び方を把握すると、音声についていけずに挫折する失敗を避けられます。似た練習法との違いを知っておけば、今の自分に必要な練習から順に取り組むことも可能です。
本記事では、シャドーイングとリピーティング・オーバーラッピング・ディクテーションの違い、6STEPのやり方、レベル別の教材の選び方をまとめています。さらに、1日のメニュー例、録音して確認する方法、よくある失敗と対処法も紹介します。
※本記事の例文と1日のメニュー例は、英語の窓口編集部が作成したものです。サービスの料金は2026年10月時点で公式サイトから確認した情報です。
シャドーイングとは?やり方の結論と似た練習法との違い
シャドーイングは、手順を飛ばして始めると「聞こえない・口が回らない・意味が分からない」の3つが同時に起こり、練習になりにくい方法です。意味と音を確認してから声に出す順番を守ると、初心者でも取り組みやすくなります。
ここでは、シャドーイングのやり方の結論を早見表で示したうえで、定義と、似た3つの練習法との違いを紹介します。
シャドーイングのやり方の早見表
シャドーイングは、1つの音声を「聞く → 意味を確認する → 音声に重ねて読む → 何も見ずに追いかける → 録音で確認する」の順に使い切る方法が基本です。1回目から何も見ずに追いかけると、聞き取れない箇所の原因が分からないまま終わるためです。
シャドーイングの6つの手順と、各手順の目的を、以下の表にまとめます。
手順 | やること | 目的 |
|---|---|---|
STEP1 | レベルに合う教材を選ぶ | 音声についていける難しさにする |
STEP2 | スクリプトを見ずに2〜3回聞く | 聞き取れる部分と聞き取れない部分を知る |
STEP3 | スクリプトで意味と音の変化を確認する | 知らない単語・構文をなくす |
STEP4 | スクリプトを見ながら音声に重ねて読む(オーバーラッピング) | 音声の速さとリズムに口を慣らす |
STEP5 | スクリプトを見ずに音声を追いかける(シャドーイング) | 聞いた音をすぐ声に出す |
STEP6 | 録音して原音と聞き比べる | 言えていない箇所を特定する |
※手順は英語の窓口編集部がまとめたものです。
上記の順に進めると、STEP5で詰まった箇所の原因が「単語を知らない」「音の変化に慣れていない」「口が回らない」のどれなのかを切り分けやすくなります。
シャドーイングの定義
シャドーイングとは、聞こえてくる英語の音声を、影(shadow)のように少し遅れて追いかけながら声に出す練習法です。もともとは通訳の訓練で使われてきた方法で、英語学習ではリスニングと発音の練習として広く使われています。
シャドーイングの特徴は、音声を止めずに、聞くことと話すことを同時に進める点にあります。たとえば、音声が「I'd like to check out」まで進んだとき、口では1〜2語遅れて「I'd like to」と言っている状態がシャドーイングです。
ただし、シャドーイングはスクリプトを見ないで行う練習を指すのが一般的です。スクリプトを見ながら音声と同時に読む練習は、オーバーラッピングとして区別されます。
リピーティング・オーバーラッピング・ディクテーションとの違い
シャドーイングは、似た練習法の中で「スクリプトを見ず、音声を止めずに声に出す」点が異なります。4つの練習法は鍛える力が違うため、目的に合わせて組み合わせると練習の効率が上がります。
シャドーイング・リピーティング・オーバーラッピング・ディクテーションを、やり方・スクリプトの使い方・主に鍛える力で比較します。
練習法 | やり方 | スクリプト | 主に鍛える力 | 難しさ |
|---|---|---|---|---|
ディクテーション | 音声を聞いて英文を書き取る | 書き取った後に答え合わせで使う | 聞き取れない音を見つける力 | やさしい〜ふつう |
リピーティング | 1文ずつ音声を止め、聞いた英文を繰り返す | 見ない(慣れるまでは見てもよい) | 英文を覚えて正確に言う力 | やさしい〜ふつう |
オーバーラッピング | スクリプトを見ながら、音声と同時に読む | 見る | 音声の速さ・リズム・音の変化に合わせて言う力 | ふつう |
シャドーイング | スクリプトを見ずに、少し遅れて音声を追いかける | 見ない | 聞いた音をすぐ処理して声に出す力 | 難しい |
※難しさは同じ音声を使った場合の比較で、英語の窓口編集部の整理です。
音声を聞いても単語が書き取れない段階なら、ディクテーションから始めます。書き取れても口が追いつかない段階なら、オーバーラッピングから始めるとシャドーイングに入る前のつまずきを減らせます。
シャドーイングで鍛えられる力と効果の考え方
シャドーイングの効果は、どの力が足りずに英語が聞き取れないのかによって変わります。シャドーイングが主に働きかけるのは、英語の音を聞き分ける力と、聞いた英語を順番に処理する速さです。
ここでは、シャドーイングで鍛えられる3つの力と、シャドーイングだけでは伸ばしにくい力を紹介します。
英語の音を聞き分ける力(音の知覚)
シャドーイングは、英語の音を正確に聞き分ける力を鍛える練習です。聞いた音をそのまま声に出すには、単語の切れ目やつながった音を1つずつ聞き取る必要があるためです。
たとえば、秋田大学の濱田陽氏の論文(Yo Hamada, "Shadowing: Who benefits and how? Uncovering a booming EFL teaching technique for listening comprehension", Language Teaching Research, 2016年)があります。論文では、日本の国立大学の英語学習者43人を対象に、9回の授業でシャドーイングを取り入れています。論文の要旨によると、音素の知覚は下位・中位の両グループで向上し、高校レベルのリスニング問題の得点が上がったのは下位グループだけでした。
ただし、濱田氏の研究は43人を対象にした1つの研究で、すべての学習者に同じ結果が出るとは限りません。論文の要旨では、シャドーイングをリスニングのボトムアップの処理(音から単語を認識する処理)を伸ばす方法として使うことが提案されています。
聞いた順に意味を取る速さ(処理の速さ)
シャドーイングは、英語を聞いた順に処理する速さを鍛える練習です。音声を止めずに追いかけるため、日本語に訳したり文の後ろから読み返したりする時間がないからです。
たとえば、自作の例文「Could you send me the file by Friday?」をシャドーイングする場合、「Could you send me」を聞いた時点で「送ってくれますか」と意味を取ります。続く「the file」「by Friday」は、聞こえた順に意味を足していきます。単語を聞き取るたびに意味を取る処理が速くなると、文の後半を聞いている間に前半の意味を考える必要がなくなります。
ただし、意味を知らない英文をシャドーイングしても、音をまねているだけになります。STEP3でスクリプトの意味を確認してからシャドーイングに入る順番が重要です。
発音・リズム・音の変化
シャドーイングは、英語の発音・リズム・音の変化をまねる練習にもなります。音声と同じ速さで声に出すには、単語を1語ずつ区切らず、ネイティブスピーカーと同じように音をつなげたり弱めたりする必要があるためです。
シャドーイングで意識したい音の変化は、以下のとおりです。
- 連結:子音で終わる単語と母音で始まる単語がつながる(check out →「チェカウ」)
- 脱落:単語の最後の音がほとんど聞こえなくなる(good night →「グッナイ」)
- 弱形:to・for・can などの機能語が弱く短く発音される(want to go の to)
- 同化:隣り合う音が混ざって別の音になる(Could you →「クッジュ」)
※カタカナは音のイメージで、正確な発音ではありません。例は英語の窓口編集部が作成しました。
音の変化のルールを知ってから音声を聞くと、聞こえなかった箇所が「知らない単語」ではなく「知っている単語がつながった音」だと気づけるようになります。
シャドーイングだけでは伸ばしにくい力
シャドーイングは、自分で英文を組み立てて話す力を直接鍛える練習ではありません。シャドーイングで声に出すのは音声の英文で、言いたいことを英語に組み立てる作業は含まれないためです。
シャドーイングで鍛えやすい力と鍛えにくい力を、以下の表にまとめます。
鍛えやすい力 | 鍛えにくい力(ほかの練習と組み合わせる) |
|---|---|
英語の音を聞き分ける力 | 言いたいことを英文にする力(瞬間英作文・英会話で補う) |
聞いた順に意味を取る速さ | 知らない単語の意味(単語学習で補う) |
発音・リズム・音の変化 | 相手の質問に答える会話力(英会話・ロールプレイで補う) |
英語を話せるようになることが目的なら、シャドーイングで音とリズムに慣れたうえで、瞬間英作文や英会話で自分の言葉を組み立てる練習を足す組み合わせが合っています。
シャドーイングのやり方【6STEP】
シャドーイングのやり方は、1つの音声を6つの手順で使い切るのが基本です。教材を何本も聞き流すより、1つの音声を何度も練習するほうが、言えなかった箇所を言えるように直す時間を確保できます。
ここでは、初心者向けのシャドーイングの手順を6つのSTEPに分けて紹介します。例文はすべて英語の窓口編集部が作成したものです。
【STEP1】レベルに合った教材を用意する
シャドーイングの教材は、スクリプトを読めば意味がすべて分かる難しさのものを選びます。意味の分からない英文は、シャドーイングをしても音をまねるだけで終わるためです。
たとえば、スクリプトを読んで知らない単語が数語あり、辞書で調べれば意味が分かる程度の教材が練習しやすい難しさです。1回分の長さは1〜3分程度にすると、同じ音声を何度も繰り返しやすくなります。
ただし、スクリプトのない音声(ポッドキャストや動画の一部)は、聞き取れない箇所を確認できません。初心者のうちは、音声とスクリプトがそろった教材を選びましょう。
【STEP2】スクリプトを見ずに音声を聞く
最初は、スクリプトを見ずに音声を2〜3回聞き、内容をどこまで理解できるかを確かめます。聞き取れなかった箇所を先に把握しておくと、STEP3でどこを重点的に確認すればよいかが分かるからです。
たとえば、「話題は旅行の予約で、日付の部分が聞き取れなかった」のように、話の大まかな内容と聞き取れなかった箇所をメモしておきます。
ただし、STEP2で内容がほとんど分からない場合は、教材が難しすぎる可能性があります。STEP1に戻り、1段階やさしい教材に変える判断も必要です。
【STEP3】スクリプトで意味と音の変化を確認する
次に、スクリプトを読んで、知らない単語・構文・音の変化をすべて確認します。意味と音を理解した英文だけを声に出すことが、シャドーイングを「意味のある練習」にする条件だからです。
たとえば、自作の例文「I'd like to check out the new café on Main Street this weekend.」では、以下の点をスクリプトに書き込みます。
- 「I'd like to」は「I would like to」の短縮形で、to が弱く短く発音される
- 「check out」はつながって「チェカウ」のように聞こえる(ここでは「行ってみる」の意味)
- 「Main Street」の t はほとんど聞こえない
- 意味は「今週末、メインストリートの新しいカフェに行ってみたい」
スクリプトに音の変化の印を付けておくと、STEP4以降で同じ箇所につまずいたときに見直しやすくなります。
【STEP4】スクリプトを見ながら音声に重ねて読む
意味と音を確認したら、スクリプトを見ながら音声と同時に読むオーバーラッピングをします。いきなりスクリプトなしで追いかけるより、音声の速さとリズムに口を慣らしてからのほうが、STEP5で言葉に詰まる回数を減らせるためです。
たとえば、音声と同じタイミングで「I'd like to check out」と言えるまで、3〜5回を目安に繰り返します。音声より遅れる箇所に線を引くと、口が回っていない箇所が見えてきます。
ただし、オーバーラッピングでも音声についていけない場合は、再生速度を0.8倍程度に落として練習してもかまいません。速度を落とした場合も、最後は等倍の速度で練習しましょう。
【STEP5】スクリプトを見ずに音声を追いかける
オーバーラッピングで音声に合わせて読めるようになったら、スクリプトを閉じてシャドーイングをします。スクリプトを見ずに追いかけることで、文字ではなく耳から入った音だけで英語を処理する練習になるからです。
たとえば、音声が「Could you send me」と言った直後に、1〜2語遅れて同じ英文を言い始めます。言えない箇所があっても音声を止めず、聞こえた音だけを声に出して続けます。
ただし、何度繰り返しても同じ箇所で止まる場合は、STEP3とSTEP4に戻ってその箇所だけを確認し直してください。止まる箇所を残したまま回数だけ増やしても、言えない箇所は言えないまま残ります。
【STEP6】録音して原音と聞き比べる
最後に、自分のシャドーイングを録音し、原音と聞き比べます。シャドーイングをしている最中は、自分の声を聞く余裕がなく、言えていない箇所に気づきにくいためです。
たとえば、録音を聞きながらスクリプトを開き、言えなかった単語・飛ばした単語・つながっていなかった音に印を付けます。印を付けた箇所だけをSTEP4で練習し直し、もう一度シャドーイングして録音します。
ただし、録音を聞いて落ち込む必要はありません。録音で見つかった印が次の練習の材料になり、印の数が減っていくことが上達の目安になります。録音の具体的な方法は、後半の「シャドーイングを録音して確認する方法」で解説します。
レベル別のシャドーイング教材の選び方
シャドーイングの教材は、内容の面白さより、今の英語力で手順どおりに練習できるかどうかで選ぶのが基本です。難しすぎる教材は、STEP5で音声についていけず、練習そのものが続かなくなります。
ここでは、教材を選ぶ5つの基準と、英語レベル別の教材の目安、教材の種類ごとの特徴を紹介します。
シャドーイング教材を選ぶ5つの基準
シャドーイングの教材は、音声とスクリプトの両方がそろっていることを最低条件にして選びます。スクリプトがないと、STEP3の意味の確認とSTEP6の答え合わせができないためです。
シャドーイング教材を選ぶときに確認したい基準は、以下のとおりです。
- 音声とスクリプトの両方があるか
- スクリプトを読めば意味がほぼすべて分かるか
- 1回分が1〜3分程度に区切られているか
- 話す速さが今のレベルに合っているか
- 使う場面(仕事・旅行・試験)が目的に合っているか
上記の5つを満たす教材なら、市販の教材でもアプリでも、手元にある英語の教科書でもシャドーイングに使えます。
英語レベル別の教材の目安
シャドーイングの教材は、英語レベルが上がるにつれて、話す速さ・長さ・語彙を少しずつ上げていきます。今のレベルより1段階だけ難しい教材を選ぶと、手順どおりに練習でき、新しい語彙や表現にも触れられるからです。
英語レベル別に、シャドーイング教材の速さ・長さ・題材の目安を比較します。
英語レベル | 話す速さ | 1回分の長さ | 向いている題材 |
|---|---|---|---|
初心者(中学英語に不安がある) | ゆっくり・はっきり | 1分以内 | 中学レベルの短い会話・自己紹介 |
初級〜中級(中学英語は分かる) | 学習者向けのやや遅めの速さ | 1〜2分 | 日常会話・TOEICの会話問題・学習者向けのニュース |
中級〜上級(日常会話はある程度聞き取れる) | ネイティブスピーカーの自然な速さ | 2〜3分 | ビジネスの会議・プレゼン・スピーチ・ニュース |
※レベルと目安は英語の窓口編集部の整理です。
同じレベルの中でも、STEP2でまったく聞き取れない教材は難しすぎ、STEP5ですぐに言えてしまう教材はやさしすぎます。STEP4で数回練習すれば音声に合わせられる程度の教材が、シャドーイングに合った難しさです。
教材の種類と特徴
シャドーイングの教材は、音声付きの参考書・試験の問題集・ニュースやスピーチ・アプリの4種類に分けられます。種類ごとに、スクリプトの有無や話す速さの選びやすさが異なります。
シャドーイング教材の種類ごとの特徴と、向いている方を比較します。
教材の種類 | 特徴 | 向いている方 |
|---|---|---|
音声付きの参考書(シャドーイング用・英会話用) | レベル別に音声とスクリプト・和訳がそろっている | 初心者・何から始めるか迷う方 |
試験の公式問題集(TOEICなど) | 試験と同じ速さ・話題の音声で練習できる | 試験のスコアを上げたい方 |
ニュース・スピーチの音声 | 自然な速さで、題材を選びやすい。スクリプトの有無は素材による | 中級〜上級の方 |
シャドーイング用のアプリ・サービス | 音声の速度調整や録音の機能を備えたものがある | スマホで練習したい方・添削を受けたい方 |
TOEICのスコアアップが目的なら、公式問題集の音声をディクテーションやシャドーイングで使い切る方法が合っています。TOEICのPart1〜4の解き方と練習法は、TOEICリスニングの勉強法の記事で解説しています。
添削付きのシャドーイングサービスを使う方法
録音を自分で聞いても、どこが言えていないのか判断できない場合は、添削付きのシャドーイングサービスを使う方法もあります。自分では聞こえていない音は、録音を聞き返しても気づきにくいためです。
たとえば、株式会社プログリットが運営する「シャドテン」は、シャドーイングの音声を提出すると添削を受けられるリスニング学習サービスです。シャドテンの公式サイトでは、以下の内容が案内されています。
- 添削は1日1回までで、提出から24時間以内に届く(年末年始・祝日も対応)
- 料金はウェブ申込で月額21,780円(税込)、iOSのアプリ内課金で月額25,800円(税込)
- 7日間の無料体験がある
※2026年10月時点・シャドテン公式サイト(特定商取引法に基づく表示・よくある質問)より。キャンペーン料金が設定されている場合があります。
シャドテンは、自分の録音を判断できない場合の選択肢の1つです。録音と原音の違いを自分で聞き分けられる方は、本記事の手順で独学でも練習を続けられます。
1日のシャドーイングメニュー例【15分・30分】
シャドーイングは、1日の練習時間が短くても、毎日同じ流れで続けるほうが取り組みやすい練習です。手順を毎回決め直さずに済むと、空いた時間にすぐ練習を始められます。
ここでは、英語の窓口編集部が作成した15分と30分のメニュー例と、1つの教材を次に進めるタイミングの目安を紹介します。
15分のメニュー例(平日向け)
15分のメニューは、前日までに意味を確認した音声を使い、オーバーラッピングとシャドーイングを中心にします。短い時間でSTEP2〜3から始めると、声に出す前に時間がなくなるためです。
15分のメニュー例は、以下のとおりです。
- 前日に録音した自分の音声と、スクリプトの印を確認する(2分)
- 印を付けた箇所だけをオーバーラッピングする(4分)
- スクリプトを見ずにシャドーイングする(6分)
- 最後の1回を録音し、言えなかった箇所に印を付ける(3分)
※メニューは英語の窓口編集部が作成した例です。
通勤中など声を出せない時間は、音声に合わせて口だけを動かす方法や、頭の中で追いかける方法に置き換えても練習を続けられます。
30分のメニュー例(休日・新しい教材を始める日向け)
30分のメニューは、新しい音声を始める日に使い、STEP2〜6を1回ずつ通します。新しい音声は意味と音の確認に時間がかかるため、まとまった時間のある日に始めると平日の15分を声に出す練習に回せます。
30分のメニュー例を、時間配分と手順で示します。
時間 | やること | 対応する手順 |
|---|---|---|
0〜5分 | スクリプトを見ずに2〜3回聞き、聞き取れない箇所をメモする | STEP2 |
5〜13分 | スクリプトで単語・意味・音の変化を確認し、印を付ける | STEP3 |
13〜19分 | スクリプトを見ながらオーバーラッピングする | STEP4 |
19〜26分 | スクリプトを見ずにシャドーイングする | STEP5 |
26〜30分 | 録音して原音と聞き比べ、言えなかった箇所に印を付ける | STEP6 |
※メニューは英語の窓口編集部が作成した例です。
30分のメニューで始めた音声を、翌日以降の15分のメニューで仕上げると、1週間で1本の音声を使い切る流れを作れます。
次の教材に進むタイミングの目安
次の教材に進むタイミングは、スクリプトを見ずに音声とほぼ同じ速さで、意味を思い浮かべながら言えるようになったときが目安です。英文を言えるだけでなく意味も同時に取れている状態なら、音と意味の処理が追いついていると判断できるからです。
次の教材に進む前に確認したい点は、以下のとおりです。
- 録音を聞いて、言えなかった箇所が数か所まで減ったか
- 音の変化の印を付けた箇所を、原音に近い音で言えるか
- シャドーイングしながら、英文の意味が頭に浮かぶか
※目安は英語の窓口編集部の基準です。
上記を満たしていなくても、同じ音声に飽きて集中できない場合は、同じレベルの別の音声に替えてもかまいません。
シャドーイングを録音して確認する方法
シャドーイングの録音は、言えていない箇所を見つけるための答え合わせです。練習中は音声を聞くことと声を出すことで手一杯になり、自分の発音を客観的に聞く余裕がないため、録音で後から確認する必要があります。
ここでは、スマホで録音する手順と、録音を聞くときのチェック項目、記録の残し方を紹介します。
スマホで録音する手順
シャドーイングの録音は、教材の音声をイヤホンで聞きながら、スマホの録音アプリで自分の声だけを録る方法が手軽です。スピーカーで音声を流すと、原音と自分の声が重なって録音され、自分の声が聞き取りにくくなるためです。
スマホでシャドーイングを録音する手順は、以下のとおりです。
- 教材の音声をイヤホンで再生できるようにする
- スマホの標準の録音アプリ(ボイスメモなど)を起動する
- 録音を始めてから教材の音声を再生し、シャドーイングする
- 録音を止め、ファイル名に日付と教材名を付けて保存する
片耳だけイヤホンを付けると、自分の声も聞きながら練習できます。シャドーイング用のアプリの中には、音声の再生と録音を1つの画面でできるものもあります。
録音を聞くときのチェック項目
録音を聞くときは、スクリプトを開いたまま、1回に1つの観点に絞って確認します。複数の観点を同時に確認しようとすると、どの箇所に何の問題があったのかが曖昧になるためです。
録音のチェック項目と、問題が見つかったときの直し方を、以下の表にまとめます。
チェック項目 | 確認の仕方 | 見つかったときの直し方 |
|---|---|---|
言えなかった・飛ばした単語 | スクリプトを指で追いながら録音を聞く | その単語を含む1文だけをオーバーラッピングする |
音の変化(連結・脱落・弱形) | 印を付けた箇所の原音と録音を交互に聞く | 原音を0.8倍速にして、音をまねて言う |
リズム・強弱 | 強く読まれる単語に丸を付け、録音と比べる | 強く読む単語だけを手拍子に合わせて言う |
遅れ | 原音から何語遅れているかを確かめる | 遅れる箇所の前後をオーバーラッピングで練習する |
まずは「言えなかった・飛ばした単語」から確認し、単語が言えるようになってから音の変化とリズムに進むと、直す順番に迷わずに済みます。
スクリプトに印を付けて記録する
録音で見つけた問題は、スクリプトに印を付けて記録しておきます。印の数を日ごとに比べると、同じ音声で何が直ったのかを確かめられるからです。
たとえば、言えなかった単語には下線、音の変化には弧線、強く読む単語には丸、のように印の種類を決めておくと、録音を聞き返すたびに同じ基準で記録できます。日付ごとに色を変えると、前回より印が減ったかどうかが一目で分かります。
ただし、すべての印を一度に消そうとする必要はありません。1回の練習で直す箇所は2〜3か所に絞り、残りは次の日の練習に回しましょう。
シャドーイングのよくある失敗5つと対処法
シャドーイングが続かない・効果を感じない原因の多くは、教材の難しさや手順の飛ばし方にあります。原因を特定すれば、練習時間を増やさなくても練習の質を上げられます。
ここでは、シャドーイングでよくある5つの失敗と、原因・対処法を紹介します。
失敗のパターンと原因・対処法の一覧
シャドーイングの失敗は、教材・手順・続け方の3つのどこかに原因があります。失敗のパターンごとに原因と対処法を決めておくと、うまくいかないときに何を変えればよいかがすぐに分かるためです。
シャドーイングのよくある失敗を、原因と対処法で整理します。
よくある失敗 | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|
音声にまったくついていけない | 教材が今のレベルより難しすぎる | 1回分が短く、ゆっくり話す教材に替える。再生速度を落とす |
声は出ているが意味が分かっていない | STEP3の意味の確認を飛ばしている | スクリプトと和訳で意味を確認してから声に出す |
毎回違う教材を使い、どれも中途半端になる | 新しい教材を聞くこと自体が目的になっている | 1つの音声を、次の教材に進む目安を満たすまで使う |
練習しても同じ箇所で止まる | 止まる箇所の原因を確認していない | 録音で止まる箇所を特定し、その1文だけをオーバーラッピングする |
長時間まとめてやって続かなくなる | 1回の負荷が高すぎる | 15分のメニューのように、短い時間を毎日続ける形に変える |
音声についていけないときは、自分の英語力を責めるより先に、教材の難しさを見直しましょう。
スクリプトを見る・見ないの使い分けを誤る
スクリプトは、STEP3とSTEP4では見て、STEP5では閉じるのが基本の使い分けです。STEP5でもスクリプトを見続けると、耳ではなく目で英語を追う練習になり、音を聞き取る練習から外れるためです。
たとえば、STEP5でどうしても言えない箇所があっても、途中でスクリプトは開きません。STEP5を一度終えてからSTEP4に戻り、言えなかった箇所を確認します。
ただし、初心者のうちはSTEP4の時間を長めに取り、スクリプトを見ながら音声に合わせられるようになってからSTEP5に進む順番でもかまいません。
独学のシャドーイングで詰まったときの選択肢
シャドーイングは、音声とスクリプト、録音できるスマホがあれば独学で続けられる練習です。録音を聞いて言えていない箇所を自分で見つけられる方なら、独学で足ります。
ここでは、独学で詰まりやすい場面と、詰まったときに使える選択肢を紹介します。
独学で詰まりやすい場面と選択肢
独学のシャドーイングで詰まりやすい場面は、自分の発音の誤りに気づけないときと、ほかの練習との組み合わせ方が分からないときです。どちらも、自分の声や学習計画を外から確認する人がいないことが原因になります。
独学で詰まりやすい場面と、使える選択肢は、以下のとおりです。
- 録音を聞いても違いが分からない:添削付きのシャドーイングサービスで、言えていない箇所を指摘してもらう
- 聞き取れるようになっても話せない:瞬間英作文や英会話を足し、自分で英文を組み立てる練習をする
- 何をどの順番で練習するか決められない:英語コーチングで、学習計画と教材の選び方を相談する
話せるようになることが目的で、シャドーイングを含めた学習計画を立ててもらいたい方は、スピーキング特化の英語コーチングの一覧から、発音矯正の有無や会話レッスンの回数を比較できます。
まとめ
- シャドーイングは、スクリプトを見ずに少し遅れて音声を追いかける練習で、音の聞き分けと聞いた順に意味を取る速さを鍛える
- やり方は「教材選び → 聞く → 意味と音の確認 → オーバーラッピング → シャドーイング → 録音」の6STEPで1つの音声を使い切る
- 教材は音声とスクリプトがそろい、スクリプトを読めば意味が分かる1〜3分のものを選ぶ
- 録音を原音と聞き比べ、言えなかった箇所に印を付けて直すと、上達を確かめながら続けられる
まずは手元にある音声付きの教材から1〜2分の音声を1つ選び、本記事の30分のメニューでSTEP2から始めてください。
よくある質問
シャドーイングは初心者でも効果がありますか?
初心者でも、意味が分かる短い音声を使い、オーバーラッピングから段階を踏めば取り組めます。日本の大学生43人を対象にした濱田陽氏の研究(2016年)では、音素の知覚は下位・中位の両グループで向上し、高校レベルのリスニング問題の得点が上がったのは下位グループでした。
シャドーイングは1日何分やればよいですか?
決まった時間はなく、毎日続けられる長さで十分です。英語の窓口編集部のメニュー例では、新しい音声を始める日は30分、平日は15分で、前日に確認した音声のオーバーラッピングとシャドーイングと録音を行います。
シャドーイングでスクリプトを見てもよいですか?
意味と音を確認する段階と、音声に重ねて読むオーバーラッピングの段階では見てかまいません。スクリプトを見ずに音声を追いかける段階では閉じ、言えなかった箇所は練習を終えてから確認します。
シャドーイングで英語を話せるようになりますか?
シャドーイングで鍛えやすいのは、英語の音の聞き分け・聞いた順に意味を取る速さ・発音とリズムです。言いたいことを自分で英文にする力は、瞬間英作文や英会話の練習を組み合わせて伸ばします。
英語のシャドーイングにはどんな教材を使えばよいですか?
音声とスクリプトの両方があり、スクリプトを読めば意味がほぼ分かる、1回分が1〜3分の教材が使いやすいです。初心者はゆっくり話す音声付きの参考書、TOEIC対策なら公式問題集、中級以上はニュースやスピーチが選択肢になります。
出典・参考
- Shadowing: Who benefits and how? Uncovering a booming EFL teaching technique for listening comprehension(Language Teaching Research, 20(1), 35-52)(Yo Hamada(Akita University)/SAGE Publications) 2026年10月11日参照
- 研究等業績 原著論文 濱田 陽(秋田大学) 2026年10月11日参照
- シャドテン 公式サイト(株式会社プログリット) 2026年10月11日参照
- シャドテン 特定商取引法に基づく表示(株式会社プログリット) 2026年10月11日参照
この記事を書いた人
執筆
英語の窓口編集部
英語の窓口/編集部
英語コーチング・TOEICコーチングの口コミ・比較サイト「英語の窓口」の編集部。スクールの料金・口コミ比較と、TOEIC・英会話の勉強法やAI英会話の活用法を発信しています。