英検1級の勉強法|レベル・合格点・勉強時間と社会人の6〜12ヶ月計画

英検1級の勉強法を、レベル(大学上級程度・CEFR C1)、試験形式、合格点(英検CSEスコア)、2024年度リニューアルの変更点、準1級との難易度の差とあわせて公式情報で解説します。社会人向けの勉強時間の目安、技能別の対策、6〜12ヶ月のスケジュールも紹介します。
まとめ記事英検の塾おすすめ7選|中高生・社会人別に料金と保証を比較【2026年】英検1級は「大学上級程度」のレベルで、合格基準スコアは一次試験2028・二次試験602です。準1級に余裕を持って合格した社会人なら、1級用の単語帳の反復、要約と英作文の添削、過去問演習、2分間スピーチの練習を組み合わせて、6ヶ月・約500時間が編集部の目安です。
この記事でわかること
英検1級は日本英語検定協会が「大学上級程度」とする最上位の級で、合格基準スコアは一次2028・二次602、合計2630はCEFRのC1(2600以上)にあたります。
2024年度のリニューアルで英作文が2題(英文要約90〜110語+意見論述200〜240語)に増え、リーディングは41問から35問に減りました。試験時間は100分のままです。
勉強時間は準1級に余裕を持って合格した方で6ヶ月・約500時間が編集部の目安で、語彙・ライティング・二次試験のスピーチに多めに時間を割き、過去問は本番と同じ時間で解くのが効果的です。
要点データ
| レベルの目安 | 大学上級程度CEFRはB2〜C1の範囲で判定。合格基準スコアの合計2630はC1(2600以上) |
|---|---|
| 合格基準スコア(英検CSEスコア) | 一次2028/二次602一次は3技能の合計(満点2550)、二次はスピーキング(満点850) |
| 試験時間 | 一次 約135分/二次 約10分リーディング・ライティング100分+リスニング約35分 |
| 検定料(2026年度・個人申込) | 12,400円(税込)本会場のみ。英検S-CBTでは1級は実施なし |
| 次回の一次試験(2026年度第3回) | 2027年1月24日(日)個人申込は2026年10月30日〜12月14日 |
| 勉強時間の目安(編集部) | 6〜12ヶ月・約500〜1,000時間準1級合格レベルからの目安。公式の数字ではない |
英検1級は、英検の最上位の級で、日本英語検定協会は「大学上級程度」のレベルとしています。一次試験では22問の語彙問題と90〜110語の英文要約・200〜240語の英作文、二次試験では5つのトピックから1つを選ぶ2分間のスピーチが出題されます。
レベル・試験形式・合格点を先に押さえると、準1級との差がどこにあり、仕事と両立しながら何ヶ月かけて何を勉強すればよいのかを逆算して計画できます。
本記事では、英検1級のレベル・試験形式・合格点(英検CSEスコア)・2024年度リニューアルの変更点・準1級との難易度の差を、公式情報をもとにまとめています。さらに、社会人向けの勉強時間の目安、技能別の勉強法、6ヶ月・12ヶ月の勉強スケジュール、全国通訳案内士試験の筆記試験免除などキャリアでの活かし方、独学で詰まったときの講座の選び方も紹介します。
※本記事の試験情報は、2026年10月時点の日本英語検定協会(英検)公式サイトと、公式サイトで公開されている2026年度第2回の1級一次試験問題冊子で確認しています。
英検1級とは?レベル・試験形式・合格点の早見表
英検1級は、一次試験の3技能と二次試験のスピーキングの4技能で合否が決まる、英検で最も難しい級です。技能ごとに英検CSEスコアの配点が均等なため、語彙や長文だけを伸ばしても、ライティングかスピーキングが弱いと合格基準に届きません。
ここでは、英検1級の要点を1枚の表にまとめ、レベル・試験形式・合格点・2024年度のリニューアルの4つを解説します。
英検1級の早見表
英検1級は、一次試験(リーディング・ライティング・リスニング)と二次試験(面接形式のスピーキング)に分かれた試験です。一次試験に合格した方だけが二次試験に進みます。
英検1級の要点は、以下のとおりです。
項目 | 内容 |
|---|---|
レベルの目安 | 大学上級程度(CEFRはB2〜C1の範囲で判定) |
一次試験の時間 | リーディング・ライティング100分/リスニング約35分 |
二次試験の時間 | 英語での面接 約10分 |
合格基準スコア(英検CSEスコア) | 一次試験2028(満点2550)/二次試験602(満点850) |
受験会場 | 本会場のみ(英検S-CBTでは1級は実施なし) |
検定料(2026年度・個人申込) | 12,400円(税込) |
勉強時間の目安(編集部) | 準1級合格レベルから6〜12ヶ月・約500〜1,000時間 |
※2026年10月時点・英検公式サイト「1級の過去問・試験内容」「1級の試験内容」「英検CSEスコアとは」「個人でのお申し込みを検討している方」より。勉強時間は公式の数字ではなく、試験形式と準1級との差から編集部が出した目安です
上記の表のうち、合格基準スコアと試験時間は回によって変わりません。日程と検定料は年度で変わるため、申し込みの前に公式サイトで最新の情報を確認しましょう。
レベルは「大学上級程度」・CEFRではC1が目安
英検1級のレベルは、日本英語検定協会の「各級の目安」で「大学上級程度」とされています。公式の説明では、英検の試験の最終目標となる級で、広く社会生活で求められる英語を十分理解し、使用できることが求められます。
英検Can-doリストでは、1級に求められる力を「専門的な話題について、推論をしながら複雑な文章や話の展開および概要や要点、詳細を理解し、情報や自身の考えを主張や根拠の展開を明確にしながら詳細にかつ論理的に伝えることができる」と示しています。たとえば、専門書や学術書を読んで主張と根拠を整理する、政治や経済の話題で理由や根拠を示しながら意見を伝え合う、といったタスクが例に挙げられています。
国際的な指標のCEFRとの関係は、以下のとおりです。
- 1級で判定されるCEFR:B2〜C1(4技能総合スコアが2304未満だとCEFRは表示されない)
- C1の4技能総合スコア:2600以上
- 1級の合格基準スコアの合計:一次2028+二次602=2630
英検1級の一次・二次の合格基準スコアを合計すると2630となり、CEFRのC1の下限(2600)を上回ります。1級に合格すると、成績表で4技能総合のCEFRがC1と表示される水準の英語力を示せます。
試験形式と問題数
英検1級の一次試験は、リーディング35問・ライティング2題・リスニング27問で構成されています。リーディングとライティングは同じ100分の中で解くため、時間配分を自分で決める必要があります。
一次試験と二次試験の形式を、技能別に整理します。
技能 | 形式 | 問題数 |
|---|---|---|
リーディング | 短文の語句空所補充 | 22 |
リーディング | 長文の語句空所補充 | 6 |
リーディング | 長文の内容一致選択 | 7 |
ライティング | 英文要約(90〜110語) | 1 |
ライティング | 英作文(意見論述・200〜240語・理由3つ) | 1 |
リスニング | 会話の内容一致選択 | 10 |
リスニング | 文の内容一致選択 | 10 |
リスニング | Real-Life形式の内容一致選択 | 5 |
リスニング | インタビューの内容一致選択 | 2 |
スピーキング(二次) | 自由会話・スピーチ(2分間)・Q&A | スピーチ1題 |
※2026年10月時点・英検公式サイト「1級の試験内容」、2026年度第2回 1級一次試験問題冊子より。リスニングの放送は各問題1回のみ
英検1級は、ライティングの語数が準1級のほぼ2倍あり、英作文では理由を3つ挙げるよう指示されます。過去問を解く際は、100分のうちライティングに何分残すかを最初に決めておきましょう。
合格点(英検CSEスコア)と正答率の目安
英検1級の合格基準スコアは、一次試験が2028、二次試験が602で、回によって変わりません。英検CSEスコアは問題数に関係なく各技能に均等に配分され、1級の技能ごとの満点は850です。
一次試験は3技能の合計(満点2550)で判定されるため、ライティング2題がリーディング35問と同じ850点分の重みを持ちます。英検協会は、2016年度第1回の一次試験で「1級・準1級は各技能での正答率が7割程度の受験者の多くが合格した」と公表しています。
ただし、スコアは統計的な手法で算出されるため、正答数から自分でスコアを計算することはできません。各技能で7割を安定して取ることを目標にし、1つの技能が極端に低くならないように勉強しましょう。
2024年度のリニューアルで変わった点
英検1級は、2024年度第1回検定から問題形式が変わりました。英作文が1題から2題に増え、その分リーディングの問題数が減っています。
英検1級のリニューアルの内容は、以下のとおりです。
- リーディング:41問から35問に削減(短文の語句空所補充で単語問題を3問、長文の内容一致選択で3問を削除)
- ライティング:意見論述に加えて「要約」を出題し、1題から2題に増加
- リスニング・二次試験:変更なし
- 試験時間:変更なし(リーディング・ライティング100分)
※英検公式サイト「2024年度 実用英語技能検定(英検)問題形式リニューアル」より
試験時間が100分のまま書く量が増えたため、リーディングを速く解いてライティングに時間を残す練習が必要です。2023年度以前の問題集には英文要約が載っていないため、2024年度第1回以降の過去問か、リニューアル対応と明記された教材を使ってください。
英検1級の難易度|準1級との差は語彙・ライティング・スピーチ
英検1級の難易度は、準1級と比べて語彙・ライティングの分量・二次試験の形式の3点で大きく上がります。準1級までの対策の延長だけでは届きにくく、1級専用の単語帳とスピーチの練習が必要になるからです。
ここでは、準1級と1級の違いを表で比較し、1級が難しいと言われる理由を3つ解説します。
準1級と1級の違い
英検1級と準1級は、試験の構成は同じですが、レベルの目安・語数・二次試験の課題が異なります。準1級に合格した方が1級を目指す場合は、どの項目でどれだけ差があるかを先に確認すると、勉強の配分を決めやすくなります。
準1級と1級の主な違いを比較します。
項目 | 準1級 | 1級 |
|---|---|---|
レベルの目安 | 大学中級程度 | 大学上級程度 |
判定されるCEFR | B1〜B2 | B2〜C1 |
リーディング・ライティングの試験時間 | 90分 | 100分 |
短文の語句空所補充 | 18問 | 22問 |
英文要約の語数 | 60〜70語 | 90〜110語 |
英作文の語数 | 120〜150語 | 200〜240語 |
二次試験の主な課題 | 4コマのイラストのナレーション(2分間)と質問 | 5つのトピックから1つを選ぶスピーチ(2分間)とQ&A(4分間) |
合格基準スコア(一次/二次) | 1792/512 | 2028/602 |
検定料(2026年度・個人申込・本会場) | 10,400円(税込) | 12,400円(税込) |
※2026年10月時点・英検公式サイト「各級の目安」「準1級の試験内容」「1級の試験内容」「英検CSEスコアとは」「個人でのお申し込みを検討している方」、2026年度第2回の一次試験問題冊子より
上記のとおり、1級は語彙問題の数とライティングの語数が増え、二次試験はイラストを使わないスピーチ形式に変わります。準1級のレベル・合格点の詳細は、英検準1級の勉強法とレベル・合格点で解説しています。
英検1級が難しいと言われる3つの理由
英検1級が難しいと言われる主な理由は、語彙のレベル、書く量、即興で話す力の3つです。いずれも短期間の詰め込みでは伸びにくく、毎日の積み上げが必要な技能だからです。
- 語彙:短文の語句空所補充22問は、準1級より難度の高い単語・熟語が4つの選択肢に並ぶ
- 書く量:100分の中で、英文要約90〜110語と英作文200〜240語の合計約300〜350語を書く
- 即興のスピーチ:考える時間は1分間でメモも取れず、社会性の高い話題について2分間話す
なお、英検協会は2026年10月時点で級別の合格率を公式サイトで公表していません。合格率の数字ではなく、合格基準スコアと自分の英検CSEスコアの差で、合格までの距離を判断しましょう。
英検1級に必要な勉強時間【社会人の目安】
英検1級に必要な勉強時間は、今の英語力が準1級の合格基準からどれだけ上にあるかで変わります。英検協会は勉強時間の目安を公表していないため、本記事では試験形式と準1級との差をもとに、編集部の目安を示します。
ここでは、今のレベル別の勉強時間と、仕事と両立するための時間の作り方を解説します。
今のレベル別の勉強時間の目安
英検1級の勉強時間は、準1級に余裕を持って合格している方なら6ヶ月・約500時間が編集部の目安です。1級の単語帳は2,000語以上を収録しており、単語帳を3周するだけで数ヶ月かかるうえ、要約・英作文・スピーチの練習にも同じくらいの時間が必要になるからです。
今のレベル別の勉強時間の目安を、以下の表にまとめます。
今のレベル | 勉強期間の目安 | 勉強時間の目安 | 1日あたりの目安 |
|---|---|---|---|
準1級に余裕を持って合格した(一次・二次とも合格基準を大きく上回った) | 6ヶ月 | 約500時間 | 平日2時間・休日4時間 |
準1級にぎりぎり合格した | 9〜12ヶ月 | 約700〜1,000時間 | 平日2時間・休日4時間 |
準1級を持っていない・英語から数年以上離れている社会人 | 12ヶ月以上(先に準1級の合格を目標にする) | 約1,000時間以上 | 平日1.5〜2時間・休日3〜4時間 |
※英検協会の公式の数字ではなく、英語の窓口編集部の目安です。英検CSEスコアの技能別の差や、仕事で英語を使っているかによって必要な時間は前後します
自分がどの段階にいるかは、公式サイトで公開されている1級の過去問を1回分、時間を計って解くと判断できます。各技能の正答率が5割を下回る場合は、12ヶ月の計画で進めましょう。
社会人が勉強時間を確保する方法
社会人が英検1級の勉強時間を確保するには、机に向かう時間と、すき間時間でできる勉強を分けることが重要です。英作文やスピーチの練習はまとまった時間が必要ですが、単語とリスニングは通勤中や昼休みの10〜20分でも進められるからです。
時間帯ごとの勉強の振り分け方(編集部の例)は、以下のとおりです。
- 通勤・移動中:単語帳の音声とリスニングの復習
- 昼休み:単語帳の印を付けた語の見直し
- 平日の夜:長文1題か英文要約1題
- 休日:英作文1題・スピーチの録音・過去問の演習
上記のように振り分けると、平日に机に向かえるのが1時間程度でも、1日2時間前後の勉強時間を確保しやすくなります。
英検1級の勉強法【技能別の6つのポイント】
英検1級の勉強法は、技能ごとに「何をどの教材で、どれだけやるか」を決めると、仕事と両立しながらでも続けやすくなります。1級は4技能の配点が均等なため、得意な技能だけを伸ばしても合格基準に届かないことがあるからです。
ここでは、単語・長文読解・ライティング・リスニング・二次試験・過去問の6つに分けて、勉強のやり方を紹介します。
単語は1級用の単語帳を1冊に絞って繰り返す
英検1級の単語対策は、1級用の単語帳を1冊に絞り、最初の2ヶ月で1周目を終えるのが効果的です。短文の語句空所補充22問は語彙の知識で正解が決まり、長文・リスニング・ライティングの理解もすべて語彙が土台になるからです。
たとえば、旺文社の『英検1級 でる順パス単 6訂版』(2,090円・税込、2026年7月発売)は、過去20年分の英検過去問を分析し、単語2,100語・熟語300語を出題頻度の高い順に掲載しています。6訂版では語源の情報が増え、「分野別表現編」と、要約や意見を述べるときに使える「ライティング・スピーキング表現編」が新設されました。
単語帳を使う手順は、以下のとおりです。
- 1日100語ずつ意味だけを確認する:書いて覚えるより、短時間で何周も回す
- 覚えていない語に印を付け、2周目以降は印の語だけを回す
- 音声を聞いて意味がすぐ浮かぶかを確認する:通勤中に進められる
- 過去問で出た知らない単語を単語帳に書き足す
※書籍の情報は2026年10月時点・旺文社公式サイトより
1級の単語帳は収録数が多いため、1冊を3周以上回すことを優先しましょう。級別の単語帳の比較は英検の単語帳おすすめで紹介しています。
長文読解は英字メディアで背景知識を増やす
英検1級の長文読解は、過去問の演習に加えて、英字新聞や海外のニュースサイトで社会的な話題の背景知識を増やすと得点が安定します。1級の長文は科学・医療・テクノロジー・政治などの専門的な話題が多く、背景を知っていると初めて見る単語があっても内容を推測しやすいからです。
たとえば、過去問の長文を1題解いたあと、各段落の要点を英語で1文ずつ書き出すと、どこで論理を見失ったかが分かります。段落の要点を拾う練習は、ライティングの英文要約の練習にもそのままつながります。
ただし、リーディングに時間をかけすぎると、ライティングの時間がなくなります。編集部の目安としては、100分のうち語彙問題を10分、長文を35〜40分で解き、ライティングに50分以上を残す配分で練習しましょう。
ライティングは要約と英作文の型を決めて添削を受ける
英検1級のライティングは、英文要約と英作文それぞれの「型」を決め、書いた答案を添削してもらって書き直す練習が近道です。ライティングは2題で一次試験の3分の1の配点を占め、英検協会は英作文を内容・構成・語彙・文法の4つの観点で採点するとしているからです。
2026年度第2回の問題冊子の指示文から、1級のライティングで求められていることを整理します。
問題 | 指示文で求められていること | 書き方のポイント(編集部) |
|---|---|---|
英文要約 | できるだけ自分の言葉で(in your own words)90〜110語にまとめる | 段落ごとの要点を1〜2文ずつにし、具体例と数字は省く。本文の表現は言い換える |
英作文 | TOPICについて理由を3つ挙げ、序論・本論・結論の構成で200〜240語 | 序論で立場と理由3つを示し、本論は理由1つにつき1段落、結論で立場をまとめ直す |
英作文の序論の例(編集部作成・TOPIC「Should companies be required to allow remote work?」の場合)は、以下のとおりです。
I do not believe that companies should be legally required to allow remote work. This is because business needs vary widely across industries, face-to-face collaboration remains essential for training new employees, and such a rule would place a heavy burden on small businesses.
英検協会のライティングの採点に関する説明では、TOPICの問いに答えていない答案は、すべての観点で0点になることがあるとされています。書き始める前に、TOPICの問いに対する立場を1文で決めてから構成を考えましょう。書き方の型と例文は英検ライティングの書き方で詳しく解説しています。
リスニングはスクリプトで聞けなかった箇所をつぶす
英検1級のリスニングは、解いたあとにスクリプト(放送原稿)で聞けなかった箇所を確認し、音声に合わせて音読する練習で伸びます。1級のリスニングは放送が1回だけで、聞き取れなかった理由が「単語を知らない」のか「話の展開を追えない」のかを区別しないと、同じミスを繰り返すからです。
英検の公式サイトでは、1級の過去3回分の問題冊子・リスニング原稿・音源を公開しています。たとえば、Part4のインタビュー形式は2問だけですが、まとまった長さの話を聞いて要点を答える問題のため、話し手の主張と具体例を分けて聞く練習が役立ちます。
ただし、スクリプトを見ながら聞くだけでは、本番で聞き取れる力は伸びにくいです。スクリプトで確認した文を、音声を止めずに追いかけて話すシャドーイングまで続けましょう。
二次試験はスピーチの型を作り、2分間を計って話す
英検1級の二次試験は、序論・本論・結論のスピーチの型を作り、時間を計って声に出す練習が効果的です。スピーチは考える時間が1分間しかなくメモも取れないため、話す順番を決めておかないと、本番で内容を組み立てられないからです。
二次試験の流れは、以下のとおりです。
- 氏名の確認と簡単な日常会話
- トピックカードの受け取り:5つのトピックから1つを選ぶ
- 考慮時間(1分間):メモは取れない
- スピーチ(2分間):2分を超えると途中でも中止される
- Q&A(4分間):スピーチの内容やトピックに関連した質問に答える
※英検公式サイト「1級の試験内容」の「二次試験の受け方」より
スピーチの言い出しの例(編集部作成)は、「I'd like to talk about whether remote work benefits society. I believe it does, for two main reasons.」のように、立場と理由の数を最初に示す形です。公式サイトの過去の出題例には、科学の発展は常に有益か、選挙権の行使を義務化するべきか、遺伝子組み換え食品の安全性などがあり、社会・政治・科学の話題ごとに自分の意見と理由を英語で準備しておくと答えやすくなります。面接全体の対策は英検の二次試験対策も参考にしてください。
過去問は本番と同じ時間で解き、復習に時間をかける
英検1級の過去問は、本番と同じ100分・約35分の時間を計って解き、1回分を数日かけて復習するのが効果的です。過去問を時間どおりに解くと、各技能の正答率と時間配分の課題が同時に分かるからです。
英検の公式サイトでは、直近3回分の一次試験の問題冊子・リスニング音源・解答を無料で公開しています。さらに演習量を増やしたい方は、旺文社の『2026年度版 英検1級 過去6回全問題集』(3,190円・税込)に、リニューアル後の2024年度第1回〜2025年度第2回の5回分と2023年度第3回の計6回分が収録されています。
過去問を解いたあとは、間違えた語彙を単語帳に書き足し、ライティングは添削を受けて書き直し、リスニングはスクリプトで確認してください。
※書籍の情報は2026年10月時点・旺文社公式サイトより
英検1級の勉強スケジュール【6ヶ月・12ヶ月】
英検1級の勉強スケジュールは、試験日から逆算して「語彙 → 技能別の演習 → 過去問」の順に組むと、期間内に全技能を仕上げやすくなります。語彙が足りないまま過去問を解いても、正答率が上がらず復習に時間がかかるからです。
ここでは、準1級に余裕を持って合格した方向けの6ヶ月プランと、時間をかけて準備したい社会人向けの12ヶ月プランを、編集部の目安として紹介します。
【6ヶ月プラン】準1級に余裕を持って合格した方向け
6ヶ月プランは、平日2時間・休日4時間程度を確保できる方が、一次試験までの約26週間で全技能を仕上げる計画です。最初の2ヶ月で語彙を固め、3ヶ月目からライティングとスピーチの比重を上げます。
時期 | 中心にやること | 到達の目安(編集部) |
|---|---|---|
【STEP1/1〜2ヶ月目】 | 単語帳を2周・過去問を1回分解いて弱点を把握・要約と英作文の型を覚える | 単語帳のでる度Aの8割を見て意味が分かる |
【STEP2/3〜4ヶ月目】 | 要約と英作文を週1〜2題ずつ書いて添削・長文とリスニングを1日1題・スピーチの練習を開始 | 英作文を200語以上、35分以内で書ける |
【STEP3/5〜6ヶ月目】 | 過去問を時間どおりに2週に1回・単語帳の総復習・弱い技能に時間を集中 | 各技能で7割前後を取れる |
一次試験後〜二次試験 | 話題ごとにスピーチを録音し、Q&Aを想定して答える練習 | 2分間のスピーチを止まらずに話せる |
※英語の窓口編集部の目安です
二次試験は一次試験の約5週間後のため、スピーチの練習は一次試験の前から少しずつ始めておきましょう。
【12ヶ月プラン】準1級にぎりぎり合格した方・忙しい社会人向け
12ヶ月プランは、平日1.5〜2時間で、語彙と背景知識の土台作りから始める計画です。準1級にぎりぎり合格した方や、仕事で毎日長い時間を取れない社会人は、最初の4ヶ月を語彙と読解に充てると、後半の演習が進めやすくなります。
時期 | 中心にやること |
|---|---|
【STEP1/1〜4ヶ月目】 | 単語帳を3周・英字メディアで社会的な話題の記事を週3本読む・長文の精読 |
【STEP2/5〜8ヶ月目】 | 要約と英作文を週1題ずつ添削・リスニングはスクリプトで復習してシャドーイング・話題ごとに意見と理由を英語でまとめる |
【STEP3/9〜10ヶ月目】 | 過去問を時間どおりに月2回・スピーチの録音を週2回 |
【STEP4/11〜12ヶ月目】 | 過去問の総仕上げ・単語帳の総復習・模擬面接でQ&Aの練習 |
※英語の窓口編集部の目安です
12ヶ月プランでは、途中の回で一度受験して英検CSEスコアを確認する方法もあります。技能別のスコアが分かると、後半の時間をどの技能に配分すべきか判断しやすくなります。
英検1級の日程と申し込み方法【2026年度】
英検1級は年3回実施され、一次試験はすべて本会場で行われます。英検S-CBTでは1級は実施されていないため、受験の機会は年3回の従来型だけです。
ここでは、2026年度の試験日程と、申し込み方法・検定料・一次試験免除の3つを紹介します。
2026年度の試験日程
2026年10月13日時点で次に申し込めるのは、2026年度第3回検定です。第3回の個人申込の受付期間は2026年10月30日(金)〜12月14日(月)で、一次試験は2027年1月24日(日)に実施されます。
2026年度第3回の日程は、以下のとおりです。
項目 | 第3回 |
|---|---|
個人申込の受付期間 | 2026年10月30日(金)〜12月14日(月) |
一次試験 | 2027年1月24日(日) |
一次試験のウェブ合否公開 | 2027年2月15日(月) |
二次試験 A日程(21歳以上) | 2027年2月28日(日) |
二次試験 B日程(20歳以下) | 2027年3月7日(日) |
※2026年10月時点・英検公式サイト「個人でのお申し込みを検討している方」より。コンビニ申込とネット申込のコンビニ・郵便局支払い(Pay-easy)は12月11日(金)締切
英検1級の二次試験は、A日程・B日程ともに全国14受験地(札幌、仙台、横浜市、千代田、新宿・豊島、世田谷、新潟、名古屋、京都、梅田、天王寺、広島、福岡、沖縄本島南部)で実施されます。地方在住の方は、移動の時間も含めて予定を立てておきましょう。年間の日程は英検の日程でまとめています。
申し込み方法・検定料・一次試験免除
英検1級を個人で申し込む方法は、インターネット申込とコンビニ申込の2つです。インターネット申込は、2023年度第3回検定から「生涯学習アカウント」への登録とログインが必要になりました。
申し込みで確認したい点は、以下のとおりです。
- 検定料:12,400円(税込・2026年度・本会場の個人申込)
- 一次試験の会場:申込時に希望受験地を選び、締め切り後に届く一次受験票で通知される
- 一次試験免除:一次試験に合格し二次試験が不合格か欠席だった場合、翌年度の同じ回まで二次試験から受けられる(検定料は通常と同額)
※2026年10月時点・英検公式サイト「個人でのお申し込みを検討している方」「一次試験免除について」「個人でのお申し込み」より
一次試験免除は申込時に申請が必要です。二次試験で不合格だった場合も、次の回の申込期間を確認して早めに手続きしましょう。
英検1級を社会人のキャリアで活かす方法
英検1級は、英語の上位資格として履歴書で英語力を示せるだけでなく、国家試験の科目免除にも使える資格です。英検協会の公式サイトでは、1級は入試活用・単位認定・海外留学など幅広く使われ、とくに通訳案内士(ガイド)試験の外国語(英語)の筆記試験が免除されると説明されています。
ここでは、社会人が英検1級を活かせる場面を3つ紹介します。
全国通訳案内士試験の英語の筆記試験が免除される
英検1級の合格者は、全国通訳案内士試験の筆記試験のうち「外国語(英語)」の科目が免除されます。日本政府観光局(JNTO)の2026年度の施行要領では、英検1級合格による免除に有効期限はないとされています。
免除を申請する際のポイントは、以下のとおりです。
- 免除される科目:筆記試験の外国語(英語)のみ。日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務と、口述試験は受験が必要
- 提出書類:日本英語検定協会発行の「合格証明書」(和文のみ)。デジタル証明書ファイルの提出も可
- 有効期限:なし
※2026年10月時点・日本政府観光局(JNTO)「2026年度全国通訳案内士試験 施行要領」より
訪日観光客向けのガイドなど、英語を使う仕事を副業や転職の選択肢にしたい方にとって、英検1級は具体的なメリットのある資格です。
成績表でCEFRのC1レベルを示せる
英検1級の成績表には、技能別と4技能総合の英検CSEスコア、CEFRレベルが表示されます。1級の合格基準スコアの合計2630はC1の下限2600を上回るため、合格者は国際的な指標でも上級の英語力を説明できます。
たとえば、外資系企業や海外との取引がある部署への転職では、英作文と2分間のスピーチを含む4技能の試験に合格したことを、書く力と話す力の根拠として伝えられます。
ただし、企業の求人ではTOEIC L&Rの点数で条件を示す例もあるため、転職先が求める試験を確認してから受験しましょう。
大学院入試・留学・子どもの教育にも使える
英検1級は、社会人の大学院入試や海外留学の英語力の証明としても使われます。英検協会の「英検・TEAP・IELTS 活用校検索」では、大学・大学院ごとの活用方法を調べられます。
英検1級の活用で確認したい点は、以下のとおりです。
- 志望先が求めるのは級の合格か、英検CSEスコアか
- 成績の有効期間
- 英検以外の試験(IELTS・TOEFLなど)の指定がないか
扱い方は学校や入試方式ごとに異なるため、必ず募集要項で確認してください。大学入試での使われ方は英検の大学入試での優遇と活用方法で解説しています。
独学で詰まりやすいポイントと講座の選び方
英検1級は独学でも合格を目指せますが、要約・英作文と二次試験のスピーチは一人での練習に限界があります。自分の答案や話し方の誤りに自分で気づきにくく、採点の観点に沿ったフィードバックがないと、同じミスを繰り返すからです。
ここでは、独学で詰まりやすいパターンと、英検1級に対応した講座を選ぶときのポイントを紹介します。
独学で詰まりやすい4つのパターン
英検1級の独学で詰まりやすいのは、語彙・ライティング・時間配分・スピーチの4つです。どのパターンも、原因が分かれば対処の仕方を決められます。
つまずき | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
語彙問題の正答率が上がらない | 単語帳を何冊も使い、1冊も定着していない | 単語帳を1冊に絞り、印を付けた語だけを繰り返す |
ライティングの点数が伸びない | 添削を受けず、論理の飛躍や語彙の誤用に気づけない | 型を決め、添削を受けて書き直す |
英作文を最後まで書けない | リーディングに時間をかけすぎている | 過去問を時間どおりに解き、ライティングに50分以上残す |
スピーチで言葉に詰まる | 話題ごとの意見を準備していない・声に出す練習が足りない | 話題ごとに意見と理由を英語でまとめ、時間を計って録音する |
上記の4つのうち、語彙と時間配分は独学でも改善しやすいパターンです。ライティングとスピーチは、第三者の添削や模擬面接を受けると改善の方向が分かりやすくなります。
ライティング・スピーチが伸びないときは講座を検討する
独学でライティングやスピーチが伸びないときは、添削や模擬面接を受けられる英検1級対応の講座が選択肢になります。講座はグループの学期制・マンツーマン・月額制の添削など形式が分かれているため、試験日までの期間と予算に合うかを最初に確認しましょう。中高生・社会人別の候補は、英検の塾おすすめで料金と保証を比較しています。
英語の窓口に掲載している英検対策の講座のうち、1級に対応している講座は以下のとおりです(並び順は形式別で、優劣を示すものではありません)。
- アスパイア(英検1級1次・2次対策講座):1級専門の学期制ライブクラス。大阪心斎橋校での対面・Zoomライブ・録画視聴から選べ、1次対策(2026年冬学期・全11回)は70,400円(税込)。二次試験のプライベートレッスンは1回60分10,000円(税込)から
- TRAアカデミー(英検1級・準1級対策特化コース):1級・準1級に特化したマンツーマン。2時間×10回で177,800円(税込)から、入会金無料。受験日が近く短期間で集中したい方向け
- Best Teacher(英検対策コース):1級・準1級・2級のライティング添削とSpeakingレッスンを月額16,500円(税込)で回数無制限に受けられる。本番形式の模擬面接はないため、面接の場慣れは別の手段と組み合わせる
※2026年10月時点・各スクール公式サイトより。アスパイアは別途入学金20,000円(税込)がかかります
無料体験や実力診断がある講座は、申し込む前に添削や模擬面接の進め方を確認できます。ほかの英検対策の講座は英検対策のスクール・コーチング一覧で比較できます。
まとめ
英検1級の勉強法の要点は、以下のとおりです。
- 英検1級は「大学上級程度」で、合格基準スコアは一次2028・二次602。合計2630はCEFRのC1(2600以上)にあたる
- 2024年度から英作文が2題(英文要約90〜110語+意見論述200〜240語)になり、リーディングは35問に減った
- 準1級に余裕を持って合格した社会人なら、6ヶ月・約500時間が編集部の目安。語彙・ライティング・スピーチに多めに時間を割く
- 二次試験は1分間の考慮時間と2分間のスピーチ。話題ごとに意見と理由を準備し、録音して練習する
- 合格すると全国通訳案内士試験の英語の筆記試験が免除される(有効期限なし)
まずは公式サイトの過去問を1回分、時間を計って解き、各技能の正答率から自分に必要な勉強期間を決めましょう。
よくある質問
英検1級に合格するには何時間くらい勉強が必要ですか?
英検協会は勉強時間の目安を公表していません。英語の窓口編集部の目安では、準1級に余裕を持って合格した方で6ヶ月・約500時間、準1級にぎりぎり合格した方で9〜12ヶ月・約700〜1,000時間です。過去問を1回分解いて各技能の正答率を確認すると、自分に必要な期間を判断しやすくなります。
英検1級の合格点は何点ですか?
英検1級の合格基準スコア(英検CSEスコア)は、一次試験が2028(満点2550)、二次試験が602(満点850)で、回によって変わりません。英検協会は、2016年度第1回の一次試験で各技能の正答率が7割程度の受験者の多くが合格したと公表しています。
英検1級の単語帳は何を使えばよいですか?
英検1級の単語帳は、1級用に作られた1冊に絞って繰り返すのが効果的です。たとえば、旺文社の『英検1級 でる順パス単 6訂版』は過去20年分の過去問を分析し、単語2,100語・熟語300語を頻度順に収録しています。
英検1級の二次試験(面接)はどんな形式ですか?
英検1級の二次試験は約10分の個人面接で、簡単な日常会話のあと、5つのトピックから1つを選んで2分間のスピーチをし、4分間のQ&Aに答えます。スピーチの考慮時間は1分間で、メモは取れません。
英検1級を持っていると通訳案内士試験で免除がありますか?
英検1級の合格者は、全国通訳案内士試験の筆記試験のうち外国語(英語)の科目が免除されます。日本政府観光局(JNTO)の2026年度の施行要領では有効期限はなく、申請には英検協会発行の合格証明書(和文)が必要です。
出典・参考
- 1級の過去問・試験内容(公益財団法人 日本英語検定協会) 2026年10月12日参照
- 1級の試験内容(公益財団法人 日本英語検定協会) 2026年10月12日参照
- 2026年度第2回 1級 一次試験問題冊子(公益財団法人 日本英語検定協会) 2026年10月12日参照
- 英検バーチャル二次試験 1級(サンプル問題)(公益財団法人 日本英語検定協会) 2026年10月12日参照
- 準1級の試験内容(公益財団法人 日本英語検定協会) 2026年10月12日参照
- 各級の目安(公益財団法人 日本英語検定協会) 2026年10月12日参照
- 英検Can-doリスト(1級)(公益財団法人 日本英語検定協会) 2026年10月12日参照
- 英検CSEスコアとは(公益財団法人 日本英語検定協会) 2026年10月12日参照
- 英検CSEスコアでの合否判定方法について(公益財団法人 日本英語検定協会) 2026年10月12日参照
- ライティングテスト(英作文)の採点に関する観点および注意点(1級・準1級・2級)(公益財団法人 日本英語検定協会) 2026年10月12日参照
- 2024年度 実用英語技能検定(英検)問題形式リニューアル(公益財団法人 日本英語検定協会) 2026年10月12日参照
- 3. 個人でのお申し込みを検討している方(受付期間・試験日程・検定料)(公益財団法人 日本英語検定協会) 2026年10月12日参照
- 個人でのお申し込み(公益財団法人 日本英語検定協会) 2026年10月12日参照
- 一次試験免除について(公益財団法人 日本英語検定協会) 2026年10月12日参照
- 2026年度全国通訳案内士試験(独立行政法人 国際観光振興機構(日本政府観光局)) 2026年10月12日参照
- 2026年度全国通訳案内士試験 施行要領(独立行政法人 国際観光振興機構(日本政府観光局)) 2026年10月12日参照
- 英検1級 でる順パス単 6訂版(株式会社 旺文社) 2026年10月12日参照
- 2026年度版 英検1級 過去6回全問題集(株式会社 旺文社) 2026年10月12日参照
この記事を書いた人
執筆
英語の窓口編集部
英語の窓口/編集部
英語コーチング・TOEICコーチングの口コミ・比較サイト「英語の窓口」の編集部。スクールの料金・口コミ比較と、TOEIC・英会話の勉強法やAI英会話の活用法を発信しています。
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