英語スピーキングの勉強法|一人でできる練習メニューと上達の手順
英語スピーキングの勉強法を、流暢さ・正確さ・発音・語彙・論理構成の5つの要素に分けて解説します。独り言・録音・1分スピーチ・要約・描写・AI相手の一人でできる練習メニューと自作のお題、録音での評価の仕方、レベル別のメニューも紹介します。
英語スピーキングの勉強法は、スピーキング力を流暢さ・正確さ・発音・語彙・論理構成の5つの要素に分け、弱い要素に合う練習を一人で回し、週1回の録音で上達を確かめるのが基本です。独り言・録音と書き起こし・1分スピーチ・要約・描写・AI相手の6つの練習は、相手がいなくてもできます。
この記事でわかること
スピーキング力は流暢さ・正確さ・発音・語彙・論理構成の5つの要素に分けられ、要素ごとに効く練習が異なります。
一人でできる練習は、実況の独り言・録音と書き起こし・1分スピーチ(PREP)・要約・描写・AI相手の6つです。
上達は、週1回同じお題で録音し、止まった回数・語数・誤りの数を記録して確かめます。
英語のスピーキング力は、ひとまとまりの力ではなく、流暢さ・正確さ・発音・語彙・論理構成の5つの要素に分けられます。要素ごとに効く練習が違うため、勉強法を1つ決めて続けるだけでは、伸びない要素が残ります。
自分のスピーキングのどの要素が弱いかを把握すると、相手がいなくても一人で練習メニューを組めます。録音で上達を確かめる方法を決めておけば、教材や練習法を次々に変えずに済みます。
本記事では、スピーキング力の5つの要素と伸ばし方、一人でできる練習メニュー6つ、録音を使った評価の仕方、レベル別の練習メニューをまとめています。さらに、よくある失敗と、一人の練習で足りる方・足りない方の見分け方も紹介します。練習のお題・英語の例文・メニューは、すべて英語の窓口編集部が作成したものです。
英語スピーキングの勉強法は?要素別の練習を早見表で確認
英語スピーキングの勉強法は、弱い要素を見つけ、要素に合う練習を一人で回し、録音で確かめるという手順が基本です。スピーキング力は複数の要素からできており、要素ごとに効く練習が異なるためです。
ここでは、スピーキング力の5つの要素と、それぞれを一人で伸ばす練習を早見表で示します。続けて、一人でできる練習と相手が必要な練習の分け方を解説します。
5つの要素ごとに、弱いときのサイン・一人でできる練習・上達の確かめ方を整理します。
要素 | 弱いときのサイン | 一人でできる練習 | 上達の確かめ方 |
|---|---|---|---|
流暢さ | 「えー」「あー」が多く、文の途中で止まる | 実況の独り言・1分スピーチの繰り返し | 1分間に止まった回数と話せた語数 |
正確さ | 時制・三単現のs・冠詞の誤りが毎回出る | 瞬間英作文・録音の書き起こし | 書き起こした文の誤りの数 |
発音 | 聞き返される。録音を聞くと単語が聞き取りにくい | 音読・お手本との聞き比べ | お手本と違って聞こえる単語の数 |
語彙 | 言いたい単語が出ず、日本語で止まる | 言えなかった語のメモと使い直し | 同じお題で言えなかった語の数 |
論理構成 | 話があちこちに飛び、結論が最後まで出ない | PREPの1分スピーチ・要約して話す | 結論・理由・例が順に入っているか |
※英語の窓口編集部による整理です。確かめ方は、自分の録音で数えられる基準として設定しています
5つの要素のうち、まず録音で一番目立つ弱点を1つ選び、選んだ要素の練習から始めると時間を集中できます。
スピーキング力は5つの要素に分けて考える
スピーキング力を伸ばしたい方は、最初に5つの要素のどこが弱いかを確かめることが重要です。要素によって、必要な練習がまったく異なるためです。
たとえば、文法は正しいのに途中で止まる方は流暢さの練習が必要で、すらすら話せても誤りが多い方は正確さの練習が必要です。同じ「話せない」でも、止まる方に文法問題を解かせても、誤りが多い方に話す量だけを増やさせても、伸びは小さくなります。
ただし、5つの要素は互いに関係しています。語彙が足りないと流暢さも落ちるため、録音で弱点が複数見つかった場合は、語彙と正確さを先に整えると、ほかの要素も伸ばしやすくなります。
一人でできる練習と相手が必要な練習を分ける
スピーキングの練習は、一人でできるものと、相手が必要なものに分けられます。一人でできる練習で話す材料と口の慣れを作り、相手との練習で即興のやり取りを試す、という分担にすると効率が上がるからです。
練習の分担は、以下のとおりです。
- 一人でできる練習:独り言・録音・1分スピーチ・要約・描写・瞬間英作文・音読
- 相手が必要な練習:予想していない質問への即答・聞き返し・話題の切り替え
- AIで一部を代わりにできる練習:質問への即答・誤りの指摘(精度には限界がある)
一人の練習だけでも、スピーキングに必要な要素の多くは伸ばせます。相手との練習は、一人で準備した表現を使う場として、週に数回組み込むのが目安です。
スピーキングが伸びない3つの原因
スピーキングが伸びない原因は、英語の知識の不足だけではありません。話す量・日本語と英語の語順の違い・間違いへの恐れの3つが重なり、知識があっても口から出ない状態が生まれます。
ここでは、スピーキングが伸びない3つの原因と、原因ごとに弱くなりやすい要素を解説します。原因と練習の全体の流れは、英語が話せるようになるには?大人が独学で話せるまでの5ステップで詳しく紹介しています。
3つの原因と、弱くなりやすい要素・効く練習を表で整理します。
原因 | 弱くなりやすい要素 | 効く練習 |
|---|---|---|
声に出して話す量が少ない | 流暢さ・発音 | 実況の独り言・音読 |
日本語の語順で文を組み立てる | 流暢さ・正確さ | 瞬間英作文・主語と動詞から言う練習 |
間違いを恐れて話さない | 流暢さ・語彙 | 録音での独り言・AI相手の練習 |
※英語の窓口編集部による整理です
3つの原因のどれもが、流暢さを下げる方向に働きます。一人で話す時間を増やすことが、どの原因に対しても最初の対処になります。
声に出して話す量が少ない
スピーキングが伸びない1つ目の原因は、声に出して話す量の不足です。話す力は、口を動かした量に応じて身に付く技能であり、読む・聞く勉強だけでは伸びないからです。
たとえば、単語帳とリスニングで毎日1時間勉強していても、声を出す時間がほぼない場合は、スピーキングの練習量は0分と同じです。1日の勉強のうち、自分の言葉で英語を話している時間を一度計ると、話す量の不足に気付けます。
ただし、音読やシャドーイングは声を出す練習ですが、自分で文を作る練習ではありません。お手本をなぞる練習と、自分の言葉で話す練習の両方を1日のメニューに入れてください。
日本語の語順で文を組み立てる
2つ目の原因は、日本語の文を完成させてから英語に訳そうとすることです。日本語は動詞が文末に来るのに対し、英語は主語と動詞を文の最初に言うため、訳すまでの時間がかかります。
たとえば、「先週末に家族と近くの公園でバーベキューをしました」を日本語の順に訳そうとすると、「先週末に」で止まります。英語では「We had a barbecue(私たちはバーベキューをした)」から言い始め、場所と時を後ろに足すと「We had a barbecue in the park near our house last weekend.」と組み立てられます(例文は編集部作成)。
ただし、語順を意識しても、長い日本語を一度に訳そうとすると詰まります。言いたいことを短い文に分け、1文ずつ英語にする練習から始めましょう。
間違いを恐れて話さない
3つ目の原因は、間違いへの恐れから話す量が増えないことです。正しいか確かめられない文を口に出さないため、話す機会が減り、流暢さも語彙も伸びにくくなります。
たとえば、「I enjoyed to talk with you.」と言っても、相手は話せてよかったという意味を受け取れます。話す場面では伝えることを優先し、誤りは話したあとで直すという順番にすると、話す量を減らさずに正確さも上げられます。
ただし、誤りを放置すると、同じ誤りがくせになります。一人の練習では録音を聞き返し、誤りをメモして翌日の練習で言い直してください(正しくは「I enjoyed talking with you.」)。
スピーキング力の5つの要素と伸ばし方
スピーキング力の5つの要素は、それぞれ鍛え方が異なります。流暢さは繰り返しで、正確さは誤りの記録と言い直しで、論理構成は話す型の練習で伸ばすというように、要素に合った練習を選ぶことが重要です。
ここでは、流暢さ・正確さ・発音・語彙・論理構成の5つについて、定義と一人でできる伸ばし方を解説します。
5つの要素を、定義と練習の頻度で比較します。
要素 | 定義 | 練習の頻度の目安 |
|---|---|---|
流暢さ | 止まらずに、一定の速さで話し続ける力 | 毎日 |
正確さ | 文法と語の使い方を誤らずに話す力 | 毎日(録音の確認は週2〜3回) |
発音 | 相手が聞き取れる音・リズム・強弱で話す力 | 週3回以上 |
語彙 | 言いたいことに合う単語・表現をすぐ取り出す力 | 毎日 |
論理構成 | 結論と理由を、相手が追える順番で話す力 | 週3回以上 |
※定義と頻度の目安は英語の窓口編集部が設定したものです
流暢さ・正確さ・語彙は毎日少しずつ、発音と論理構成は週に数回まとめて練習すると、1日の負担を抑えられます。
流暢さ:同じ内容を繰り返して話す
流暢さは、同じ内容を何度も話すことで伸ばせます。1回目は言葉を探す時間がかかりますが、2回目・3回目は表現を思い出す時間が減り、話す速さと止まらない時間が増えるためです。
たとえば、「最近の休日の過ごし方」というお題で1分話し、録音したら、すぐに同じお題でもう2回話します。3回目の録音で「えー」と止まった回数が1回目より減っていれば、流暢さの練習ができています。
ただし、毎日同じお題だけを話すと、暗記した文を読み上げる練習になります。お題は2〜3日ごとに変え、似た表現を別の場面でも使えるかを確かめましょう。
正確さ:誤りを記録して言い直す
正確さは、自分の誤りを記録し、正しい文で言い直すことで高められます。人の誤りには型があり、時制・三単現のs・冠詞など、同じ誤りが繰り返し出るからです。
たとえば、録音を書き起こして「I go to the office yesterday.」のような誤りを見つけたら、正しい文「I went to the office yesterday.」を3回声に出し、ノートの誤りリストに加えます。英語の語順ですぐ正しい文を言う練習には、瞬間英作文のやり方が向いています。
ただし、話している最中に誤りを気にしすぎると、流暢さが落ちます。話すときは止まらないことを優先し、正確さは録音を聞き返す時間に直すと分けて考えてください。
発音:お手本と自分の録音を聞き比べる
発音は、お手本の音声と自分の録音を聞き比べて直すのが基本です。話しながら聞く自分の声と、録音で聞く自分の声は違って聞こえるからです。
たとえば、教材の英文を1文だけ音声で聞き、同じ文を録音して交互に再生します。単語の強く読む位置・文の区切り・音のつながりのうち、違って聞こえる箇所に印を付け、印の箇所だけをまねて読み直します。
ただし、個々の音を完璧にしようとすると、話す練習の時間が減ります。相手に聞き返される原因になりやすい強弱とリズムを先に整え、細かい音は後から直しましょう。
語彙:言えなかった語を集めて使い直す
スピーキングの語彙は、話して言えなかった語を集め、次の練習で使い直すと増えます。単語帳の語より、自分が実際に言いたかった語のほうが、会話で使う場面がはっきりしているためです。
たとえば、仕事の話をして「締め切り」「後回しにする」が出てこなかった場合は、「deadline」「put off」を調べ、例文を自分の話に合わせて作ります。翌日の独り言で「I put off the report because the deadline was next week.」のように使えば、言えなかった語が話せる語に変わります(例文は編集部作成)。
ただし、調べた語をリストに書くだけでは、話す場面で出てきません。1つの語を、3日以内に別のお題で2回使うと決めておきましょう。
論理構成:話す順番の型を決める
論理構成は、話す順番の型を1つ決めて練習すると身に付きます。型があると、何から話すかを考える時間が減り、聞き手も要点を追いやすくなるからです。
たとえば、意見を話すときは「結論 → 理由 → 具体例 → 結論」の順にすると決め、1分スピーチで毎回守ります。説明や報告のときは「全体 → 詳細」の順にするなど、場面ごとに型を分けておくと迷いません。
ただし、型に合わせることに集中しすぎると、話の中身が薄くなります。理由と具体例は1つずつで十分なので、具体例には自分の経験や数字を入れてください。
一人でできるスピーキング練習メニュー6つ【自作のお題つき】
一人でできるスピーキング練習は、相手がいない分、話す内容と確かめ方を自分で決める必要があります。お題と時間を決めずに始めると、何を話すかを考えるだけで練習時間が終わってしまうためです。
ここでは、独り言・録音・1分スピーチ・要約・描写・AI相手の6つの練習について、やり方と自作のお題を紹介します。お題と英語の例は、すべて英語の窓口編集部が作成したものです。
6つの練習を、伸ばせる要素・1回の目安・必要なもので比較します。
練習 | 主に伸ばせる要素 | 1回の目安 | 必要なもの |
|---|---|---|---|
実況の独り言 | 流暢さ・語彙 | 3〜5分 | なし |
録音と書き起こし | 正確さ・発音 | 10分 | スマホ |
1分スピーチ(PREP) | 論理構成・流暢さ | 5〜10分 | お題・タイマー |
要約して話す | 語彙・論理構成 | 10分 | 短い英文か動画 |
描写 | 語彙・正確さ | 5分 | 写真か身の回りの風景 |
AI相手の練習 | 流暢さ・即答 | 10〜15分 | 音声で会話できるAI |
※1回の目安は英語の窓口編集部が設定した例です
1日に6つすべてを行う必要はありません。弱い要素に合う練習を2〜3つ選び、録音と書き起こしは週に2〜3回入れると、上達を確かめながら続けられます。
実況の独り言で、今していることを英語にする
実況の独り言は、今している動作や見えているものを、その場で英語にする練習です。話す内容を考える必要がなく、相手もいらないため、スピーキングの練習の中でも始めやすい方法です。
たとえば、料理をしながら次のように話します(例文は編集部作成)。
- I'm cutting the onions now.
- I need to boil the water before I put in the pasta.
- It smells good, but I think it needs more salt.
ただし、実況の独り言は、知っている表現の範囲で話が回りやすい練習です。言えなかった語はスマホにメモし、語彙の練習と組み合わせてください。
録音して書き起こす
録音と書き起こしは、一人の練習で誤りを見つけるための方法です。話している最中は自分の誤りに気付きにくいため、録音を文字にして目で確かめる必要があります。
手順は、以下のとおりです。
- お題を決めて、スマホで1分録音する
- 録音を聞きながら、話した英文をそのまま書き出す
- 誤り・言えなかった語・「えー」で止まった箇所に印を付ける
- 直した英文を3回音読してから、同じお題でもう一度録音する
ただし、書き起こしは1分の録音でも時間がかかります。毎日ではなく週に2〜3回とし、書き起こさない日は録音を聞き返すだけにすると続けやすくなります。
1分スピーチをPREPで話す
1分スピーチは、お題について1分間、型に沿って話し続ける練習です。PREPは「Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(結論)」の順に話す型で、論理構成と流暢さを同時に鍛えられます。
たとえば、お題「Should people work from home?」では、次のように話します(例文は編集部作成)。
PREP | 英語の例 |
|---|---|
Point(結論) | I think working from home two or three days a week is a good idea. |
Reason(理由) | It saves commuting time, so people can use the time for rest or study. |
Example(具体例) | For example, when I work from home, I use the extra hour to study English in the morning. |
Point(結論) | So I believe working from home a few days a week helps both work and life. |
※英文は英語の窓口編集部が作成した例です
自作のお題は、以下のとおりです。準備時間は30秒、話す時間は1分にしてタイマーで計ります。
- Which is better, living in a city or in the countryside?
- What is the most useful thing you have bought this year?
- Should children have smartphones?
- What do you do to stay healthy?
- Is it better to travel alone or with friends?
ただし、最初から1分話し続けるのは難しいため、30秒から始めてかまいません。PREPの4つが順に入っていれば、時間が短くても論理構成の練習になります。
読んだ・聞いた内容を要約して話す
要約して話す練習は、英語の短い文章や動画の内容を、自分の言葉で言い直す練習です。元の英文にある語を使いながら、自分の文で組み立て直すため、語彙と論理構成を同時に伸ばせます。
たとえば、英語学習用のニュースや教材の200語前後の記事を1本読み、本文を閉じて30秒で要点を話します。「This article is about 〜.」「The main point is 〜.」「The writer says 〜 because 〜.」のように、要約の言い出しを決めておくと話し始めやすくなります(例文は編集部作成)。
ただし、本文を見ながら話すと、読み上げの練習になります。必ず本文を閉じてから話し、言えなかった語は本文で確かめて、もう一度要約し直してください。
写真や風景を描写する
描写は、写真や目の前の風景を英語で説明する練習です。見えているものを正しく言う必要があるため、物の名前・位置を表す前置詞・現在進行形など、正確さに関わる表現を集中して練習できます。
描写は、「場所 → 中心にあるもの → 周り → 印象」の順に話すと組み立てやすくなります。自作の例は、以下のとおりです。
- 場所:This picture was taken in a cafe.
- 中心にあるもの:A woman is working on a laptop at a table by the window.
- 周り:There are some cups and a plant on the table next to her.
- 印象:It looks like a quiet afternoon.
ただし、知らない物の名前で止まると、描写が続きません。名前が分からない物は「something to 〜」「a kind of 〜」で言い換えて話を続け、あとで正しい語を調べましょう。
AIを相手に質問に答える
AIを相手にした練習は、一人の練習では作りにくい「予想していない質問にすぐ答える」場面を作れる方法です。音声で会話できるAIなら、質問への即答と、話したあとの誤りの指摘を一人で受けられるからです。
たとえば、AIに「英語で面接官の役をしてください。質問は1つずつにして、私の答えのあとに誤りを1つだけ直してください」と頼みます。ChatGPTの音声会話の始め方と場面別の頼み方は、ChatGPTで英会話を練習する方法にまとめています。
ただし、AIの英語や添削には誤りが混じる場合があり、発音の細かい評価にも限界があります。AIに直された表現は、辞書や教材で確かめてから誤りリストに加えてください。
録音で上達を確かめるスピーキングの評価の仕方
一人のスピーキング練習では、上達を確かめる方法を自分で決めておく必要があります。読む・聞く勉強と違って点数が出ないため、確かめ方がないと伸びているのか分からず、練習が続かなくなるからです。
ここでは、録音のチェックリスト、数字で記録する方法、スピーキングテストの評価の観点を目安にする方法の3つを紹介します。
評価の方法を、確かめられることと頻度で比較します。
方法 | 確かめられること | 頻度の目安 |
|---|---|---|
録音のチェックリスト | 5つの要素のどこが弱いか | 週1回 |
数字の記録 | 止まった回数・語数・誤りの数の変化 | 週1回 |
スピーキングテスト | 第三者の評価で見た現在地 | 目標や必要に応じて |
※頻度は英語の窓口編集部が設定した目安です
週1回、同じお題で録音して前の週と比べると、小さな変化にも気付けます。
録音を5つの要素のチェックリストで聞き返す
録音を聞き返すときは、5つの要素ごとにチェック項目を決めておくと、弱点を見落としません。何となく聞くだけでは、「下手だ」という印象しか残らず、次の練習に結び付かないためです。
録音のチェックリストは、以下のとおりです(英語の窓口編集部作成)。
- 流暢さ:3秒以上の沈黙や「えー」が何回あるか
- 正確さ:時制・三単現のs・冠詞・複数形の誤りがあるか
- 発音:自分でも聞き取りにくい単語があるか
- 語彙:日本語で止まった語や、同じ語の繰り返しがあるか
- 論理構成:最初の1文で結論を言えているか
ただし、毎回5つすべてを直そうとすると、練習の焦点がぼやけます。チェックで一番多く引っかかった要素を1つだけ選び、次の1週間の練習の中心にしてください。
止まった回数と語数を数字で記録する
上達を確かめるには、録音から数えられる数字を記録するのが効果的です。数字で比べると、自分の印象に左右されずに変化を確かめられるからです。
たとえば、同じお題の1分スピーチを週1回録音し、以下の3つを表に書き込みます。
記録する数字 | 数え方 | 伸びている状態 |
|---|---|---|
止まった回数 | 3秒以上の沈黙と「えー」「あー」を数える | 前の週より減っている |
話せた語数 | 書き起こした英文の語数を数える | 前の週より増えている |
誤りの数 | 書き起こしで見つけた文法・語の誤りを数える | 前の週より減っている |
※記録の項目と数え方は英語の窓口編集部が設定したものです
ただし、語数を増やそうとして早口になると、発音と正確さが崩れます。語数は目安にとどめ、止まった回数と誤りの数が減っているかを優先して見ましょう。
スピーキングテストの評価の観点を目安にする
録音を評価する観点に迷う場合は、スピーキングテストの評価の観点を目安にできます。テストの観点は、聞き手が話し手の英語をどこで判断するかを整理したものだからです。
たとえば、TOEIC Speakingは、問題ごとに発音・イントネーションとアクセント・文法・語彙・一貫性・内容の妥当性・内容の完成度などの観点で採点されます。VERSANTのSpeaking and Listening Testでは、スピーキング力が話した内容と話し方で採点され、話し方は流暢さ・発音・話の分かりやすさを総合したスコアとして表示されます。
テスト | 公式に示されている評価の観点 | 本記事の5つの要素との対応 |
|---|---|---|
TOEIC Speaking | 発音、イントネーション・アクセント、文法、語彙、一貫性、内容の妥当性、内容の完成度(問題タイプにより異なる) | 発音・正確さ・語彙・論理構成 |
VERSANT Speaking and Listening Test | スピーキング力(話した内容と話し方)。話し方は流暢さ・発音・話の分かりやすさの総合 | 流暢さ・発音・論理構成 |
※2026年10月時点・IIBC公式サイト「テストの形式と構成」、VERSANT日本公式サイト「Speaking and Listening」より。右列の対応は英語の窓口編集部による整理
ただし、テストごとに問題の形式と採点の仕組みが違うため、一人の練習で点数を予想することはできません。テストの形式・スコアの目安は、TOEIC SpeakingテストとはとVERSANTとはで解説しています。
レベル別のスピーキング練習メニュー(自作)
スピーキングの練習メニューは、今のレベルによって中心にする要素を変える必要があります。初級の方が論理構成の練習から始めても話す材料が足りず、上級の方が独り言だけを続けても仕事で必要な精度に届かないためです。
ここでは、初級・中級・上級の3つのレベルに分けて、中心にする要素と1日20〜30分のメニュー、1週間の組み方を紹介します。メニューはすべて英語の窓口編集部が作成した例です。
自分のレベルを、今の状態と中心にする要素で確認します。
レベル | 今の状態 | 中心にする要素 | 1日のメニュー(20〜30分) |
|---|---|---|---|
初級 | 簡単な質問にも単語でしか答えられない | 語彙・正確さ | 音読10分、瞬間英作文10分、実況の独り言5分 |
中級 | 短い文は言えるが、続けて話すと止まる | 流暢さ・語彙 | 実況の独り言5分、描写5分、1分スピーチ10分、録音の確認5分 |
上級 | 日常会話はできるが、意見や説明がまとまらない | 論理構成・正確さ | 要約して話す10分、1分スピーチ10分、AI相手の練習10分 |
※英語の窓口編集部が作成した例です。レベルの判断に迷う場合は、低いほうのメニューから始めてください
どのレベルでも、週1回は同じお題で録音し、評価の記録を付ける時間を取りましょう。
初級:短い文を正しく言える数を増やす
初級の方は、短い文を正しく言える数を増やすことを最優先にしてください。言える文が少ないうちは、1分スピーチや要約をしても同じ表現の繰り返しになるからです。
たとえば、1日のメニューは音読10分・瞬間英作文10分・実況の独り言5分にし、独り言では音読と瞬間英作文で覚えた文を、主語や時制を変えて使います。「I'm making coffee now.」を覚えたら、「I made coffee this morning.」「I'll make coffee after lunch.」と言い換えるのが例です(例文は編集部作成)。
ただし、初級の段階で書き起こしを毎日すると、負担が大きくなります。録音は週1回、自己紹介を30秒話すだけにして、話せる文が増えたかを確かめましょう。
中級:止まらずに1分話し続ける
中級の方は、止まらずに1分話し続けることを目標にしてください。短い文を言える段階から、文をつないで話を続ける段階へ進むことが、中級の課題だからです。
1週間のメニューの組み方は、以下のとおりです。
曜日 | 練習 |
|---|---|
月・水・金 | 実況の独り言5分、描写5分、1分スピーチ(同じお題を3回)10分 |
火・木 | 1分スピーチの録音と書き起こし、誤りの言い直し |
土 | AI相手の練習で、1週間に覚えた表現を使う |
日 | 週1回の録音(前の週と同じお題)と数字の記録 |
※英語の窓口編集部が作成した例です
ただし、つなぎの言葉を覚えずに長く話そうとすると、同じ接続詞ばかりになります。「and」「so」に加えて「because」「but」「for example」「after that」を使い分けると、話が続きやすくなります。
上級:意見と説明を相手に伝わる順番で話す
上級の方は、意見と説明を相手に伝わる順番で話す練習を中心にしてください。日常会話ができる段階では、話せるかどうかより、話の組み立てと正確さが伝わり方を左右するからです。
たとえば、仕事のメールや英語の記事を読んで1分で要約し、続けて自分の意見をPREPで1分話します。AI相手の練習では「私の意見に反対の立場から質問してください」と頼むと、反論に答える練習もできます。
ただし、上級の方は自分の誤りに気付きにくくなっている場合があります。書き起こしで誤りが見つからなくなったら、AIや英語の先生など、第三者の指摘を受ける機会を増やしてください。
一人のスピーキング練習でよくある失敗と対処法
一人のスピーキング練習は、相手がいない分、やり方のずれに気付きにくい練習です。ずれたまま続けると、時間をかけても伸びを感じられず、練習をやめる原因になります。
ここでは、一人の練習でよくある失敗を5つ挙げ、原因と対処法を表にまとめます。
よくある失敗 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
練習しているのに話せる感じがしない | 音読やシャドーイングだけで、自分で文を作る練習がない | 1分スピーチや独り言を毎日のメニューに入れる |
同じ表現ばかり使っている | 言えなかった語を調べて終わり、使い直していない | 調べた語を3日以内に別のお題で2回使う |
上達しているか分からない | 録音や記録がなく、比べるものがない | 週1回、同じお題で録音して数字を記録する |
原稿を読み上げる練習になっている | 話す内容を書いてから覚えている | メモはキーワード3つまでにして話す |
同じ誤りが何度も出る | 録音を聞いても、誤りを記録していない | 誤りリストを作り、練習の最初に言い直す |
※英語の窓口編集部による整理です
上記の失敗のうち、当てはまるものが2つ以上ある場合は、練習メニューを増やす前に、録音と記録の仕組みを整えるところから始めましょう。
一人の練習で足りる方・足りない方
スピーキングは、一人の練習だけでも伸ばせる部分が大きい技能です。話す材料・口の慣れ・論理構成は、お題と録音があれば相手なしで鍛えられます。
ここでは、一人の練習で足りる方と、人のサポートを使ったほうが早い方の違いを整理します。
一人の練習で足りる方と足りない方を、状況で比較します。
一人の練習で足りる方 | 人のサポートを検討したい方 |
|---|---|
録音を聞いて、自分で弱点と誤りを見つけられる | 録音を聞いても、どこが悪いのか分からない |
メニューを決めれば、毎日続けられる | 練習が1〜2週間で止まることを繰り返している |
期限のある目標がない | 海外赴任・英語面接・昇進要件など、期限がある |
日常会話や趣味で使えればよい | 会議・商談など、仕事で使う精度が必要 |
※英語の窓口編集部による整理です
左の列に当てはまる方は、本記事のメニューと録音での評価を続ければ、一人の練習で足ります。右の列に当てはまる方は、練習メニューの設計と誤りの指摘を人に任せる英会話コーチングも選択肢になります。料金・レッスン量で比べたい方は、英会話コーチングおすすめの比較で確認できます。
まとめ
- スピーキング力は流暢さ・正確さ・発音・語彙・論理構成の5つの要素に分けられ、要素ごとに効く練習が違う
- 一人でできる練習は、実況の独り言・録音と書き起こし・1分スピーチ(PREP)・要約・描写・AI相手の6つ
- 上達は、週1回同じお題で録音し、止まった回数・語数・誤りの数を記録して確かめる
- 初級は語彙と正確さ、中級は流暢さ、上級は論理構成を中心にメニューを組む
- 録音で弱点が見つけられない・期限がある場合は、人のサポートも選択肢になる
まずは今日、1分スピーチのお題を1つ選んでスマホで録音し、5つの要素のチェックリストで聞き返してみましょう。
よくある質問
英語のスピーキングは一人でも練習できますか?
一人でも練習できます。実況の独り言・1分スピーチ・要約・描写で話す量を増やし、録音を書き起こして誤りを直せば、流暢さ・正確さ・語彙・論理構成を相手なしで鍛えられます。予想していない質問への即答は、AIや会話の相手と練習すると補えます。
スピーキングの練習は1日何分すればよいですか?
決まった時間はなく、毎日続けられる長さで十分です。英語の窓口編集部のメニュー例では、1日20〜30分を、レベルに合う2〜3種類の練習に分けています。
スピーキングの上達はどうやって確かめればよいですか?
週1回、同じお題で1分の録音をし、止まった回数・話せた語数・誤りの数を記録して前の週と比べます。録音を5つの要素のチェックリストで聞き返すと、次に練習する要素も決められます。
スピーキングの勉強は発音から始めるべきですか?
発音から始める必要はありません。言える文が少ない初級の段階では、語彙と正確さを優先し、発音は音読でお手本と自分の録音を聞き比べながら少しずつ整えると、話す練習の時間を減らさずに済みます。
スピーキングテストは受けたほうがよいですか?
会社や学校からスコアを求められている方や、第三者の評価で現在地を知りたい方は、受ける価値があります。TOEIC SpeakingやVERSANTは問題の形式と評価の観点が公開されているため、一人の練習で録音を聞き返す観点としても使えます。
出典・参考
- TOEIC Speaking & Writing Tests テストの形式と構成(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)) 2026年10月11日参照
- TOEIC Speaking & Writing Tests 採点について(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)) 2026年10月11日参照
- Speaking and Listeningのテスト内容・受験料|Versant by Pearson(日本経済新聞社) 2026年10月11日参照
- 【法人向け】Speaking & Listeningのプラン・価格|Versant by Pearson(日本経済新聞社) 2026年10月11日参照
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英語の窓口編集部
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英語コーチング・TOEICコーチングの口コミ・比較サイト「英語の窓口」の編集部。スクールの料金・口コミ比較と、TOEIC・英会話の勉強法やAI英会話の活用法を発信しています。